前回「ステムリム 再生医療と再生誘導医療 – Part.2-2 主要な幹細胞(iPS細胞) –
」、前々回「ステムリム 再生医療と再生誘導医療 – Part.2-1 主要な幹細胞(間葉系幹細胞) –
」に引き続き、今回は最後の主要な幹細胞であるES細胞について記事にします。
ES細胞(胚性幹細胞)は、受精後数日で形成される胚盤胞の内部にある内部細胞塊を取り出して人工的に培養したものを言います(図表1)。
そして細かい話を抜きにするならば、再生医療でのES細胞とiPS細胞の役割は同じです。
ES細胞もiPS細胞と同様に、人工的な培養により必要な体細胞へと分化させ、細胞移植による再生医療を目指しています。
異なる点は、ES細胞が人体から採取されるものに対して、iPS細胞は人工的に体細胞から作成されます。
また、ES細胞は人体から直接採取した内部細胞魂から作成されているため、遺伝子が安定しており、かつその性質から無限増殖が可能です。
そのため再生のみを考慮した場合、間葉系幹細胞やiPS細胞よりも優れている幹細胞と言えるのではないでしょうか。
その反面、ES細胞は基本的に他者の細胞により作成されるため、拒絶反応リスクはiPS細胞よりも高いです。
癌化リスクが付きまとうことに比べれば拒絶反応はマシと考える方も存在しますが、これがES細胞の懸念点であることは否めません。
さらに、生命の萌芽を摘むということでES細胞は倫理的な問題が付きまといます。
その逆風は想像以上に厳しく、iPS細胞に関する研究が盛んになっていることもあり、ES細胞の研究は徐々に廃れていくように思います。
<参考文献>
・ES細胞全般について(Evolutionarily conserved non-AUG translation initiation in NAT1/p97/DAP5)
<調査銘柄の概要>
4599 : ステムリム
住所 : 大阪府茨木市彩都あさぎ7丁目7-15 彩都バイオインキュベータ3階
電話番号 : 072-648-7152(非通知発信は接続不可)
HP : https://stemrim.com/
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