臨床段階に入った新薬の開発は基本的にフェーズ1、フェーズ2、フェーズ3と3段階に分けて行われます。また、1つの適応症に対して同フェーズで複数の治験を行うケースもあり、パイプライの進捗状況を把握するのに少々手こずらされる場合があります。
それらを踏まえ、メディシノバが公表しているパイプラインの進捗状況に手を加え、また最新の開発状況を治験情報サイトClinicalTrials.govとANZCTRから入手し、メディシノバのパイプラインの最新版進捗状況を図表としてまとめました(下記図表1)。
なお、クラッベ病適応のパイプラインについては特許やFDAから特約指定など受けているものの、臨床段階に入ってないため図表1からは除外しました。
上記図表1の補足として、DCMパイプラインの「開発状況」項目にて2019年9月に治験を2019年半ばに開始予定と報告がありますが、これは2019年12月期第2四半期報告書に記載されている内容です。そのため時期にズレが生じています。
また、CIPNパイプラインの治験は終了し現在データ解析が行われていると思います。同パイプラインはオーストラリアで行われており、データ解析が終了した後メディシノバの手元にその治験結果がすんなりと渡ってくるかは不明です。
というのも、以前メディシノバはオーストラリアの医師と共同でMN-166(イブジラスト)の薬物濫用頭痛適応に対する治験を行っていました。しかし、治験終了後その治験担当医またはその病院側がデータを渡す代わりにお金を要求してきた経緯があります。
当時のメディシノバはMN-166の薬物濫用頭痛パイプラインに力を入れていなかったこともあり、その要求を断りました(元メディシノバ副社長 岡島様より2012年に話を伺いました)。
今回はその点も踏まえて契約等行っているはずなので問題が起こるようなことは無いと思いますが、このような過去があるため不安が付きまといます。
アルコール依存症パイプラインは現在2つのフェーズ2治験を行っています。1つはアルコール摂取の欲求抑制効果を調べるため、もう一方がアルコール非摂取時の不快感抑制効果を調べるためです。
補足も踏まえ、メディシノバのパイプラインの進捗状況を把握して頂けると幸いです。
<参考文献>
・パイプラインついて(メディシノバ ホームページ)
・治験状況について(ClinicalTrials.gov / ANZCTR)
<調査銘柄の概要>
4875 : メディシノバ / MNOV : MediciNova
住所 : (日本支社)東京都港区西新橋1-11-5-5F / (本社)4275 Executive Square, Suite 300, La Jolla, California
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