メディシノバは2020年2月7日「当社株式の業績基準に係る猶予期間の延長に関するお知らせ」を公開しました。
これにより、メディシノバのJASDAQ市場における2020年度の上場維持が確定しました。
2020年度の上場維持が確定した理由は以下の通り、猶予期間の1年間の延長によります。
<メディシノバに対する猶予期間の延長>
(変更前:1年間)2019年1月1日 〜 2019年12月31日まで
(変更後:2年間)2019年1月1日 〜 2020年12月31日まで
猶予期間が延長されたことにより2020年度中の上場廃止が免れましたが、根本的な上場廃止リスクが解消された訳ではありません。
状況としては昨年2019年度初めの状況に戻っただけであり、メディシノバがJASDAQ上場維持を確定するためには2020年度中に営業利益および営業キャッシュフローのプラスを計上しなくてはならないという状況です。
ここで留意すべきは、メディシノバが2020年度中に営業利益および営業キャッシュフローのプラスを計上出来なかった場合どうなるか、ということです。
JASDAQ上場基準の改定により、上記項目が未達だったとしても、東京証券取引所による審査を受け、承認を得ることで猶予期間がさらに1年間延長されます。
極端な話、新基準においては上記項目に限った場合、営業利益および営業キャッシュフローのプラスを永遠に計上しなくとも、東京証券取引所からの承認さえ得ていれば上場維持は可能です。
では、その審査とは何を指すのかを解説します。
日本証券取引所グループでは、JASDAQ上場廃止に対する猶予期間の延長の審査基準として、JASDAQ上場審査基準を設けています。
JASDAQは現在、JASDAQスタンダードとJASDAQグロースに区分され、それぞれ上場審査基準として主要な項目があります。
そしてそれは、スタンダードは企業の存続性を、グロースは企業の成長可能性を問われていることです。
メディシノバはJASDAQスタンダードに所属しているため、企業の存続性が猶予期間延長の審査基準として問われます。
メディシノバは2019年9月30日現在、株主資本$74,351,040(株主資本比率95.0%)であり、2019年12月期の年間予想営業費用$26,066,000としても3年間弱の資金を確保している状況です(国際会計基準ではストックオプションも費用化しているため、キャッシュ面では更に余裕のある状況)。
そのため、存続性という観点では2021年度に対しても猶予期間の延長を受けられる見込みです。
結論として、メディシノバの上場廃止リスクは現状限り無くゼロであり、2021年度有価証券報告書が提出される2022年6月頃から1ヶ月間の整理期間を経過した2022年7月頃までは、JASDAQにおいてメディシノバ株を取引することが可能であると見込んでいます。
<参考文献>
・JASDAQ上場廃止新基準について(上場子会社のガバナンスの向上等に関する上場制度の整備について)
・JASDAQ上場基準について(上場審査の内容)
・メディシノバの財務内容(2019年12月期 第3四半期決算短信)
<調査銘柄の概要>
4875 : メディシノバ / MNOV : MediciNova
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