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B:アポトーシス因子の発現水準の分析
図表1のBでは、ウェスタンブロッティングによるLPS誘発ARDSマウスにおけるアポトーシス因子のBcl2・Bax・Cleaved caspase3・Caspase3、およびGAPDHの発現水準の分析を表しています。
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同分析はウェスタンブロッティングにより、ターゲットとなる物質を膜に転写することで、アポトーシス因子(Bcl2・Bax・Cleaved caspase3・Caspase3)とGAPDHを検出しています。検出し視覚化されたものが左で、数値化されたものが右となります。
そして左部から、抗アポトーシスのBclの量が「健康体」グループにおいて最も多く(濃く)、「LPS投与」グループが最も少ない(薄い)ことが分かります。
反対に、アポトーシス誘導のBax、アポトーシス実行のために活性しているCleaved caspase3においては、「健康体」グループにおいて最も少なく(薄く)、「LPS投与」グループが最も多い(濃い)ことが分かります。
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GAPDHに変化がないことは「1.肺水腫」「2.血清および肺組織における炎症性サイトカイン」「3.肺組織におけるケモカイン」と同様に、イブジラストがGAPDH量の抑制に効果が発揮されていないのではなく、そもそもLPS投与による肺炎にGAPDHが関わっていない(GAPDHの量が増加しない)ことも考えられます。
しかし、残念ながら同スタディではその理由までは考察されていません。
図表4右部は検出されたアポトーシス因子(Bcl2・Bax・Cleaved caspase3)の発現量を数値化し統計解析をしたものです。
まず、「健康体」グループと「LPS投与」グループにおいて、LPSを投与した場合にしっかりとBcl2が減少し、Bax・Cleaved caspase3が増加しているかを解析しています。
LPSを投与したマウスは、Bcl2:約0.6倍に減少、Bax:約2.5倍、Cleaved caspase3:約4.2倍に増加することが立証されました(全てにおいて p < 0.001)。
その上で、「LPS投与」グループと「LPS投与+イブジラスト3.75mg / kg」グループおよび「LPS投与+ イブジラスト7.5mg / kg」を統計解析することで、イブジラストがBcl2を増加、Bax・Cleaved caspase3を減少させるかどうかを検証しています。
その結果、「LPS投与+イブジラスト3.75mg / kg」グループでは「LPS投与」グループに対して、Bcl2:約10%(p < 0.05)増加、Bax:約10%(p < 0.05)抑制、Cleaved caspase3:約25%(p < 0.01)抑制の効果が得られました。
「LPS投与+ イブジラスト7.5mg / kg」グループでは「LPS投与+イブジラスト3.75mg / kg」グループよりもさらに効果が見られ、Bcl2:約25%(p < 0.01)増加、Bax:約40%(p < 0.001)抑制、Cleaved caspase3:約50%(p < 0.001)抑制の効果が得られました
以上、A、Bより、イブジラストは、(A)肺組織におけるアポトーシスを抑制し、その根拠として、(B)抗アポトーシス減少の抑制およびアポトーシス誘導物質の増加の抑制に効果を発揮しています。
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