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新型コロナウイルス感染症の治療薬として良くも悪くも注目されている医薬品がギリアド・サイエンシズのレムデシビルです。
ギリアドはレムデシビルのグローバル展開も視野に入れ、欧州、アジアと開発途上国においての生産量を増やすため、ジェネリック医薬品大手5社とライセンス契約を結びました。
同ジェネリック医薬品会社は発展途上国127ヶ国向けに生産し、少なくともギリアドは2022年まではライセンス料を徴収しないことでグローバル展開と倫理的問題をクリアにする選択をしました。
<レムデシビル生産のライセンスを付与されたジェネリック医薬品会社>
・ヘテロ(インド)
・マイラン(インド)
・シプラ(インド)
・ジューボラント(インド)
・フェロツソン(パキスタン)
・開発中の抗ウイルス薬 remdesivir の全世界への供給拡大について
『ギリアドは現在、世界有数の化学品・医薬品製造企業の数社と協議し、欧州、アジアと開発途上国における remedsivir の製造を自発的ライセンスの下で少なくとも2022 年まで行うことを検討しています。
またギリアドは、インドとパキスタンにおけるジェネリック医薬品企業数社と協議し、長期的な自発的ライセンスの下で途上国向けの本剤の製造を検討しています。ギリアドは、本剤の生産を促進するため、適切な技術移転を行います。』(ギリアド・プレスリリース)
この様な背景の下、ギリアドのレムデシビルによる将来的な年間売上高の推定がSVBリーリンクのアナリストにより初めて公になりました。
その額は2022年度に77億ドルと推定され、日本円にすると約8,437億円となります。
・米ギリアドのレムデシビル、年間売上高77億ドルも
『ギリアドは同薬の価格をまだ設定していないが、SVBのアナリスト、ジェフリー・ポージェス氏は、1回の治療過程につき米国で5000ドル、欧州で4000ドル、その他の市場で約2000ドルになると予想した。
1カ月前には米ボストンを拠点とする臨床経済的評価研究所(ICER)が米国での10日間の治療で4500ドルになるとの見解を示している。』(ロイター通信)
しかし、上記二つの記事(ギリアド・プレスリリースおよびロイター通信)は全てレムデシビルの競争優位性が保たれる前提での話であることに注意が必要です。
そしてレムデシビルに対しては、多方面からその有効性に関して疑問の声が投げ掛けられているのも事実です。
次回のエッセイ配信 – 製薬・創薬業界『ギリアドのレムデシビルの年間売上高77億ドルの行方(後編)』では、レムデシビルの最新の治験データを下にその懸念点について考察をしていきたいと思います。
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