メディシノバ MN-001(タイペルカスト)の導出可能性

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2019年10月1日にメディシノバが発表した「中国における MN-001(Tipelkast)の特発性肺線維症(Idiopathic Pulmonary Fibrosis)を適応とする特許承認のお知らせ 」により、メディシノバのコーポレート・ファイナンスの予測が益々困難になってきました。

現在メディシノバは3つのフェーズ3パイプラインに着手し、さらには助成金を得られる可能性が低いNASHもしくは高中性脂肪血症を対象とするフェーズ2bにも着手する必要が出てきます。特にNASHを対象とする治験は一人あたりの予算が高額になると言及されています(詳しくは「メディシノバ 2019年12月期第2四半期決算説明会の感想 – 2.MN-001について」を参照)。

このように、治験による開発を進めるにあたり、メディシノバは多額の開発資金が必要な状況に置かれています。

開発資金の捻出で最も可能性の高い手段が導出を交えた方法です。これは過去の記事でも述べたように、岩城社長が公言していること、さらには株価低迷かつ10%ルールの影響による調達額が求める額に及ばないからです(10%ルールについて詳しくは「メディシノバ 株式新規発行枠の申請について」を参照)。

よって投資家の立場でメディシノバのコーポレート・ファイナンスの予測した場合、導出を交えた方法が基本路線と考えられます。しかしここで問題となってくるのが、何を導出するかです。

メディシノバの導出方針は「2018年12月期 第2四半期決算説明会資料」によると以下のとおりです(同説明会資料P52抜粋)。

1.進行型多発性硬化症(PMS)
– 原則、US以外の権利を導出
– USの権利はMNOVが保持、しかし導出相手によっては共同開発も考慮

2.筋萎縮性側索硬化症(ALS)
– 原則、自社開発
– 進行型多発性硬化症の権利導出状況によっては共同開発も考慮

 

しかし同説明会以降、MN-166の変性性頸椎脊椎症(DCM)のフェーズ2b/3の開始とALSの欧州も対象とするフェーズ2b/3のプラン変更もあり、MN-166の導出価値が大きく変化しました。

同一地域での複数社へのライセンス供与は基本的にありえないため、メディシノバがMN-166の導出を行う場合は全てのパイプラインがセットになります。導出額が全てのパイプラインの価値の総和になる訳では無いとは言え、既にフェーズ3の治験が決まっているDCMとALSのパイプライン価値は、欧州や中国など主要な地域では導出額に組み込まれるはずです。

よってMN-166の導出額はPMS、DCM、ALSの3つのフェーズ3パイプラインの価値が組み込まれ、上記の方針は既に成り立たなくなっていると推測されます。

仮にMN-166の導出額が契約先にとって過大となった場合、MN-166の導出が困難になるケースも考えられます。その場合のプランBとして、MN-001(タイペルカスト)の導出を視野に入れている可能性があります。

タイペルカスとその派生成分(MN-002)の特許は米国や欧州などの主要地域で既に失効していますが、中国ではその特許が現存しています。そしてその物質特許を保有しているのがメディシノバです。

メディシノバはそれに加え、タイペルカストの高中性脂肪血症、高コレステロール血症および高リポタンパク血症、そしてIPFを適応とする中国での用途特許も保有しています(物質特許で保護されない他国での同適応症への研究データによる中国での用途特許申請リスクを排除するためと思われる)。

中国でも米国と同様に生活習慣病が社会問題としてよく取り上げられます。そのため、高中性脂肪血症や高コレステロール血症および高リポタンパク血症を適応とするパイプラインは非常に価値のあるものです。

また、世界一の人口を誇る中国では希少疾病患者数も多く、希少疾病用医薬品の開発に非常に適した環境です。さらに中国は今後10-20年で少子高齢化時代に直面すると言われており、有病年齢が高いIPFの開発を中国で行うのは最適な方法と言えます(中国でのIPF患者数は50万人を超え、米国の約3倍の規模である)。

中国での物質特許および上記用途特許を備えるMN-001は開発状況も含め、MN-166に比べて非常に導出しやすい資産です。

JASDAQ上場維持のため、さらには米国での開発スピードを上げるために、MN-001の中国地域を対象とする権利導出(プランB)の可能性は大いにありえそうです。

 

<参考文献>
・MN-001の中国での特許について(物質特許 / 用途特許 –高中性脂肪血症などIPF-)
・中国の人口(PopulationPyramid.net
・IPFについて(Incidence and Prevalence of Idiopathic Pulmonary Fibrosis
・IPFの中国患者数について(QLifePro

<調査銘柄の概要>
4875 : メディシノバ / MNOV : MediciNova
住所 : (日本支社)東京都港区西新橋1-11-5-5F / (本社)4275 Executive Square, Suite 300, La Jolla, California
電話番号 : 03-3519-5010 / 1-858-373-1500
HP : https://medicinova.jp / https://medicinova.com

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