メディシノバ 買収総額9000億円のReceptos(レセプトス)との比較 – パイプラインの本数と進捗状況 –

前回の記事「メディシノバ 買収総額9000億円のReceptos(レセプトス)との比較 – 財務形態 –」ではメディシノバとReceptosの財務状況を比較しました。

その結果、メディシノバの財務形態はReceptosに比べ規模が小さく、収益化が急がれる状況にあることが分かりました。この状況に陥っている理由は19年間にも渡って計上し続けてきた開発費によるものです。

$341,456,200という多額の累積欠損の計上を経て、現在、MN-166(イブジラスト)とMN-001(タイペルカスト)の複数のコアパイプラインとして残っています。フェーズ3が3本(進行形多発性硬化症、ALS、DCM)、フェーズ2が7本(CIPN、メタンフェタミン依存症、オピオイド依存症、アルコール依存症、グリオブラストーマ、NASH、IPF)、前臨床が1本(クラッベ病)という開発状況です。

Receptosはというと、$210,879,000の累積欠損を計上するも買収直前年度ではフェーズ3が1本(再発型多発性硬化症)、フェーズ2が2本(潰瘍性大腸炎、好酸球性食道炎)、フェーズ1が1本(クローン病)、前臨床2本(免疫疾病、糖尿病)という状況でした(ライセンス契約2件を含む)。

図表1,2において現時点でのメディシノバのパイプラインと買収前年度の2014年末時点でのReceptosのパイプラインの本数と進捗状況を示します(前臨床以前のパイプラインは除く)。

(図表1:パイプライン – メディシノバ - 作成:SKブログ)
(図表2:パイプライン – Receptos - 作成:SKブログ)

財務形態ではReceptosがメディシノバに対して圧倒的に優位な立場でした。しかしパイプラインの本数とその進捗状況は客観的に見てメディシノバに分があります。

時価総額が約570倍のグローバル製薬会社Pfizerでさえ、フェーズ3のパイプラインは全世界で23本という状況です(2019年7月時点)。

また巨額の費用が発生するフェーズ3治験とはいえ、場合によっては同治験を複数行う必要があります。

ReceptosのOzanimodによるRMSのフェーズ3治験は買収当時は1つでしたが、その後2本増え、合計3本のフェーズ3治験を行う必要が生まれました。

しかし、メディシノバの3本のフェーズ3のうち、PMSとALSを適応とする2本のパイプラインは評価項目を達成することが出来れば実施する1回の治験のみで承認申請に進むことがFDAから認められています。

次回の記事では市場規模から読み解くパイプラインのポテンシャルを比較します。是非お楽しみにお待ち下さい。

<参考文献>
Receptosのパイプラインについて( SEC Filing 10-K Annual report for the fiscal year ending Wednesday, December 31, 2014)
メディシノバのパイプラインについて(最新版:パイプラインの進捗状況(MN-166/MN-001))
Pfizerのパイプラインについて(PRODUCT PIPELINE)

<調査銘柄の概要>
4875 : メディシノバ / MNOV : MediciNova
住所 : (日本支社)東京都港区西新橋1-11-5-5F / (本社)4275 Executive Square, Suite 300, La Jolla, California
電話番号 : 03-3519-5010 / 1-858-373-1500
HP : https://medicinova.jp / https://medicinova.com

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