メディシノバ『MN-166とMN-001の米国特許一覧表および特許戦略の解説(前編:MN-166の進行型MSおよび再発寛解型MS治療薬の開発)』

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<当記事は2020年8月16日にSKメルマガで配信されたコンテンツです。>

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今回のSKメルマガではMN-166とMN-001が現在承認を得ている全ての米国特許をパイプラインごとに解説します。

なお、特許承認を得たもののメディシノバの意向により特許放棄を行ったものは除外しています。

また、当メルマガ閲読の前に特許一覧表(図表1)のご確認をお願い致します。

(図表1.MN-166とMN-001の特許 作成:SKメルマガ)

製品名であるMN-166とMN-001の一般化合物であるイブジラストとタイペルカストは、米国において物質特許切れの状態です。

それにより、メディシノバは両製品の開発や承認後の販売に対する製品保護のため、一般化合物の使用用途に関する用途特許を取得しています。

用途特許は物質特許に比べて特許の解釈の幅が広いため、城門を守る門番を物質特許とすると、堀周りを巡回する警備員が用途特許です。

物質特許切れの用途特許は門番がいない城のようなものなので、それ故に敵からの侵入を許しやすく、城である製品を守るために用途特許の数を増やしたり、特許の性質を多様にしたりと工夫が必要です。

こう聞くと用途特許の弱みばかりが目立ちますが、用途特許には強みもあります。

物質特許は特許申請をした後最長で25年の製品保護が可能ですが、用途特許はその性質上、理論的には無期限に製品を保護することが可能です。

例えばMN-166のPMS(進行型多発性硬化症)を適応とする用途特許ですが、MN-166の単体投与では2029年11月29日までが特許期限(延長を含まない)となります。

しかし、MN-166とリルゾールの併用投与では2035年11月24日までと、約6年間の特許による製品保護の延長が可能になります。

さらに、現在国際出願をしているMN-166とリルゾールとゲラニルゲラニルアセトンの3つの薬剤併用投与やMN-166とインターフェロンβの併用投与での米国特許が認められれば、その期限はさらに延長されることに繋がります。

*国際出願:各国の特許申請・審査に必要な手続に関する国際調和を図る条約(パリ条約、特許協力条約)による出願を指します。

併用投与による特許は明確な相互作用が無い限り他社による特許無効申請が行われると予想されますが、その申請が受理されるまでに時間を要することを考えると、明確な相互作用が無くとも併用投与の特許を取得することは戦略として重要です。

MN-166のPMSを対象とする特許戦略にその動きが顕著に見られます。

特にインターフェロンβとの併用投与に関しては、インターフェロンβがMSの再発予防に効くことからも、再発予防に不向きなMN-166との親和性が非常に高いと予測されます。

進行性神経変性疾患に対するMN-166とリルゾールとの併用投与の用途特許承認が得られたことを考えると、MN-166とインターフェロンβの用途特許申請が承認される可能性および併用薬の開発が成される可能性は高く、その場合はMN-166がPMSの市場で活躍出来る状況が2040年前後まで続くと考えられます。

なお、メディシノバはMN-166単体でのフェーズ3治験を実施すると想定され、併用薬による開発はMN-166単体でのフェーズ3治験でポジティブな結果が得られた後、MN-166単体での特許が切れる2029年11月29日(または延長を含めた2034年)以内に行われると考えられます。

PMSおよびALSを対象とした特許の一つにゲラニルゲラニルアセトンを併用投与する特許があります。

ゲラニルゲラニルアセトンは消化性潰瘍治療薬として流通していますが、新たな研究により視細胞(物を見るために、光を神経情報へと変換する働きをする感覚細胞)の細胞死抑制や、有毛細胞(内耳の内部で、音の振動を電気信号に変えて脳に伝える感覚細胞)の保護に効果があることが明らかになっています。

これらはMSの代表的な症状である情報処理障害に当てはまるため、同特許はALSではなくMSを狙ったものであると推測されます(ALS患者の場合は情報処理能力は比較的維持されます)。

国際出願中の「進行型多発性硬化症に起因する眼疾患の治療方法」による特許は既存または申請中の特許を強める狙いがあります。

以上のPMSに関する特許状況から、MN-166のPMS治療薬としての大まかな戦略が浮かび上がります。

まず、メディシノバは現行のMN-166単体による無再発性SPMS(二次進行型MS)治療薬として承認を得ることを目指します。

その後、「MN-166+リルゾール+ゲラニルゲラニルアセトン」および「MN-166+インターフェロンβ」の併用投与によるMS治療薬としての開発を実施します。

この2つのプランでは対象とするMS区分が異なります。

「MN-166+リルゾール+ゲラニルゲラニルアセトン」はMN-166単体のアップグレード(特に情報処理障害に対する)の意味合いがあり、対象はあくまで無再発性SPMSです。

それに対して「MN-166+インターフェロンβ」はRRMS(再発寛解型多発性硬化症)と再発性SPMSをも適応とするMS全般に用いられる治療薬に成り得ます。

よって、2029年11月29日に期限を迎えるMN-166のPMS治療薬としての特許ですが、少なくとも2つのアップグレードも含めたプランをメディシノバは用意しています。

また、その場合の特許期限は2040年前後と予測され、この様な柔軟な特許戦略が行えるのが用途特許の強みです。

 

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