メディシノバ『NASDAQバイオテック企業の財務データを用いたメディシノバ株価の統計分析(クラスター分析:後編)』

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<当記事は2020年10月04日にSKメルマガで配信されたコンテンツです。>

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「当クラスター分析シリーズ前編」でのメディシノバが含まれる3つのクラスターについて相関分析を行った結果、メディシノバの時価総額および資産規模では相関関係に当たる項目は無く、「時価総額を大きくする」もしくは「資産規模を大きくする」必要が適正な株価評価を受けるために必要である可能性が今回の分析で見出されました(当メルマガ添付:analysis-matrix20201004.pdf)。

さらにフリーCFクラスターの結果より、資金を開発に投下していない企業はそもそも事業価値評価を受けられない可能性が高いことも検出されました。

この様な状況下において、メディシノバの株価が適正な評価を受けるためにはどのクラスターに属すべきか、またはどういった状態に安定的にあればいいのかを当配信にて分析していきます。

時価総額クラスターでは第7クラスターに属するメディシノバですが同7クラスターでは時価総額と相関関係を持つ項目はありませんでした。

さらに同1〜6クラスターにおいても時価総額と相関関係を持つ項目は無く、さらに同2・3、同4・5、同6・7と階層を一つ上げた複合グループでは唯一同4・5クラスターのみが時価総額と相関関係を持つ項目が検出される結果となりました(「資産」「現金残高」の2項目)。

この解析結果を読み解くとNASDAQバイオテック企業を時価総額で括る場合、定量的に評価される企業は時価総額708百万ドル〜2,211百万ドルの間の時価総額を持つ企業のみであり、それ以外は心理的なセンチメントの影響を受けやすい企業であることが分かります。

続いて資産クラスターで見ていきます。

同クラスターではメディシノバが属する同6クラスターを含む全ての単一クラスターで時価総額との相関関係を持つ項目は検出されませんでした(同クラスター1および2はデータ数不足のためエラー)。

階層を一つ上げた場合、メディシノバも含まれる同6・7クラスターにおいて「投資CF」が時価総額と相関関係にありました。

資産の小規模バイオテック企業においては投資CFが投資家からの評価の対象となることが読み取れます。

また、同バイオテック企業における投資CFは有形固定資産および無形固定資産の取得による支出が多く見られ、研究開発に対する積極的な意思・意向が評価される傾向にあると考察します。

フリーCFクラスターではいくつかのクラスターにおいて時価総額と相関関係を持つ項目が検出されました。

メディシノバが属する同2クラスターでは「資産」「負債」「株主資本」「現金残高」の4項目に時価総額との相関関係が見られました。

その他注目すべきクラスターは同1クラスターおよび同4クラスターです。

同1クラスターでは「投資CF」が時価総額と非常に強い相関関係にあります。

本来バイオテック企業においては投資CFがマイナスになることは一般的であり、時価総額と相関関係を持つにせよマイナスの相関を持つことが想像されます。

しかし本解析では投資CFと時価総額がプラスの相関関係であることから、該当する企業の全てのフリーCFがプラスである同クラスター1においては、投資を控え、これまでに投じた費用を回収することに注力してほしいという投資家の思いが見え隠れしているのではないでしょうか。

同クラスター4では「資産」「投資CF」「財務CF」「現金残高」の4項目が時価総額と相関関係にあります。

事業CFがプラスでない企業が多いバイオテックの中、同クラスター5・6における項目と時価総額との相関関係が無いことを考えると、投資CFと財務CFの2つと相関関係があり、かつ資産や現金残高とも相関関係がある同クラスター4が最も定量的に適正な評価を受けているクラスターと言えます。

まとめると、時価総額という評価の結果を既に与えられている時価総額クラスターでは同クラスターの単一クラスターではどの項目も時価総額と相関関係にありませんでしたが、それは理論的に評価された企業と心理的に評価された企業が入り混じっていることからも、当然といえば当然の結果と考えられます。

資産で区分した資産クラスターでは正直な所、多くのクラスターで時価総額との相関関係が検出されると考えていました。

しかし実際は全てのクラスターの全ての項目で時価総額との相関関係は検出されませんでした。

このことは、バイオテック企業の時価総額評価において資産を評価項目に単純に入れ込むことが評価の信頼性を下げることを示唆しています。

そしてそれは、投資家がバイオテック企業に最も期待していることが開発進捗であるという背景があると思います。

その開発進捗の代理変数とも言えるフリーCFのクラスターでは多くのクラスターで時価総額との相関関係を持つ項目が検出されました。

上記の流れより、バイオテック企業を評価する際はフリーCFを土台とすることが好ましく、フリーCFの大きさによって評価するポイントも異なるようです。

例えばメディシノバの様に開発進捗の停滞(開発に資金を投下していない状況)では資産などの財務状況がそのまま株価に反映され、反対にフリーCFが-165,806千ドルを下回るような開発資金をドンドン使っている状況では心理的要因による評価がされる傾向です。

そのフリーCFクラスターの中で最もバランスの良い評価を受けているクラスターが同クラスター4です。

-147,378千ドル 〜 -87,937千ドルのフリーCFがバイオテック企業として投資家から適正な評価を受けた上での投資を行ってもらえる傾向が強いです。

前回と今回の結果から、バイオテック企業の評価に対してフリーCFを土台とすることが重要であると分かりました。

次回の分析である主成分分析ではその土台を活かし、内容を詰めて行こうと思います。

長期間に渡る分析で読む方も大変だと思いますが、メディシノバの正確な評価並びに今後のバイオテック企業の評価に有効な分析手法を提示したく思いますので、もうしばらくお付き合い頂けると幸いです。

 

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