ディシノバ『Covid-19ワクチン・治療薬の開発状況から考察するメルクとメディシノバの今後の関係性(導出・共同開発・M&A)』

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<当記事は2020年12月20日にSKメルマガで配信されたコンテンツです。>

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2020年11月24日にメディシノバにより公表された「抗SARS-CoV-2(新型コロナウイルス)ワクチン(BC-PIV/S)の製造に向けたMaster Virus Seed Stock(MVSS)製造開始に関するお知らせ」を機に、多くのご購読者からメディシノバと独メルク(Merck KGaA)との今後の関係性についてご質問を頂戴しました。

https://medicinova.jp/wp/wp-content/uploads/2020/11/11242020.pdf

本記事では同IR資料から付随するCovid-19ワクチン・治療薬の開発状況から両者の今後の関係性を考察していきたいと思います。

まず、メルクのCovid-19に対する取り組みは現在ワクチン製造に限られます。

メディシノバからのMVSS製造を請け負った様に、ワクチン開発に必要なウイルスや遺伝子などのバイオ製造を大規模に請け負うことです。

メルクはオックスフォード大学系のジェンナー研究所とアストラゼネカ社が開発を進めているチンパンジーアデノウイルス型のウイルスベクターワクチン(AZD1222、旧ChAdOx1nCoV-19)の製造を請け負っていることを公表しています。

https://www.merckgroup.com/en/news/jenner-milestone-covid-19-vaccine-manufacturing-14-04-2020.html

また、ベイラー医科大学が開発する遺伝子系ワクチンCoVRBD219-N1についても開発状況が極めて初期にも関わらず製造請負契約を交わしています(同ワクチン開発は2020年11月にインドでフェーズ1/2治験(エンロール数:360人、結果判明時期:2021年2月)が開始されました)。

https://www.merckgroup.com/en/news/baylor-vaccine-manufacturing-platform-covid-19.html

そのため、メディシノバのBC-PIV/SについてもMVSS製造完了後、上記2事例同様にメルクから製造請負契約の発表がなされる可能性があります。

さて、ここで疑問に思うのがメルクがメディシノバのBC-PIV/Sを導入する意思があるのかどうかですが、これまでのメルクの動向や、同社がCovid-19中和抗体の開発を進めていることを考えるとその確率は低いように感じます。

https://www.iavi.org/news-resources/press-releases/2020/iavi-merck-serum-institute-of-india-join-forces-to-develop-monoclonal-antibodies-for-covid-19

よって、メルクはあくまでワクチン製造業者としてメディシノバと関わって行き、メディシノバはメルク以外の提携先を見つける必要があると考えます。

提携先としてはグラクソ・スミスクライン(GSK)や米メルク(MSD)の動向が気になっています。

メルクはCovid-19起因の肺炎治療薬M5049の開発も進めています(フェーズ2治験進行中:エンロール数:150人 治験完了予定日:2020年11月13日)。

https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT04448756?term=M5049&draw=2&rank=2

M5049はTLR7/8によって引き起こされる炎症性サイトカイン(IL-1βおよびIL-12)を、TLR7/8に対する拮抗作用によって抑制するメカニズムを持ちます。

ARDSはサイトカインストームによって引き起こされることは周知の事実ですが、ロシュの抗IL-6受容体抗体アクテムラではポジティブな臨床結果は得られませんでした。

サイトカインストームでは複数の炎症性サイトカインが過剰に分泌されますが、M5049のIL-1βおよびIL-12をアプローチとする作用がどう働くのかは注目すべき点です。

なお、メディシノバのMN-166はTNF-α、IL-1β、IL-6、MCP-1の炎症性サイトカインを抑制する効果が期待されています。

Covid-19起因のARDS治療薬開発に関して、メルクとメディシノバは開発を続けており、また、メルクが同ARDS治療薬の開発に対して複数の化合物を所有することも考え難いため、同開発に関して手を取り合うというよりはライバル関係を続けて行くと予想されます。

以上の2点より、両者の今後の関係性はビジネスライクな発注者と受注者の関係に治まると考えます。

 

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