メディシノバが(米国)2019年8月23日付で米国証券取引委員会(SEC)に提出した「$75,000,000を上限とする新規株式発行による株式売却契約書類」について2件のご質問を頂きましたので回答いたします。
質問1:米国証券取引委員会にてMNOVの7500万ドルの増資?と思われる枠の設定が申請認可された様です。(ヤフー掲示板より)この情報につきまして貴殿のご意見を伺いたく大変恐れ入りますが何卒宜しくお願い申し上げます。
質問2:メディシノバより以下のIRを受け取ったのですが、これはジャスダック維持のための、導出交渉難航による割当増資として捉えることができるでしょうか?(https://investors.medicinova.com/static-files/abcb0046-5c18-4fb1-8e9c-81dac6bfdd7a)
今回メディシノバが提出した書類はSEC FilingのForm 424シリーズに該当するものでした。Form424は企業が登録届出書の一部としてSECに提出した目論見書に記載されている情報の修正や変更を行った際にその都度SECに提出が義務付けられている書類です。
当ブログで以前記事にした「メディシノバ 株式新規発行枠の申請について」ではSEC Filing Form S-3について述べました。Form S-3が申請書類なのに対して、今回のForm424は報告書類ということに注意が必要です。
そのため、質問1における「米国証券取引委員会にてMNOVの7500万ドルの増資?と思われる枠の設定が申請認可された様です。」箇所について、正しくは「SECに既に承認されている新規株式発行枠残高$200,000,000分のうちの(上限)$75,000,000USD分を新規株式を発行する場合、メディシノバはB. Riley FBR社を通して株式発行を行う契約を結んだ。」となります。
ここで注意すべきは新規株式発行を行うタイミングはメディシノバが決められるということです。契約を結んだからと言って直ちに発行を行う必要はありません。また、同契約の修正や破棄も可能です。
過去の事例では最初に新規株式発行契約を結んでから発行までに4年間を費やしたことがあります(図表1)。さらに主幹事証券会社の変更も珍しくありません。
前置きが長くなりましたが「$75,000,000を上限とする新規株式発行による株式売却契約書類」に関するご質問の回答として私の意見を述べます。
まず今回の$75,000,000という額についてはMN-166の導出交渉とは切り離した意図のように感じます。機会があれば詳しく記事で述べようと思いますが、MN-166のALS適応パイプラインの対象エリアに米国だけでなく欧州も含めることとなったため、$75,000,000という額が導出交渉の要因になり得るとは考え難いからです。
仮に$75,000,000分の新株を発行した場合、MN-001の開発費用に当てることが主な用途ではないでしょうか。
<調査銘柄の概要>
4875 : メディシノバ / MNOV : MediciNova
住所 : (日本支社)東京都港区西新橋1-11-5-5F / (本社)4275 Executive Square, Suite 300, La Jolla, California
電話番号 : 03-3519-5010 / 1-858-373-1500
HP : https://medicinova.jp / https://medicinova.com
Recent Comments