<投資家Q&A-064>メディシノバ『主要医薬品企業との戦略的提携に関する考え』

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<当記事は複数のSKメルマガご購読者より一般公開をリクエストされた記事です。>

<当記事は2020年05月31日にSKメルマガで配信されたコンテンツです。>

<当記事はSKブログへの転載ルール「同内容がメールマガジンで配信された日にちから10日以降」に基づき掲載されます。>

 

ルーティン配信 – <投資家Q&A-064>メディシノバ『主要医薬品企業との戦略的提携に関する考え』

これまで、SKメルマガご購読の皆様からEメールにて沢山のご質問を頂戴致しました。

重複するご質問に対してはメルマガコンテンツとして詳細な情報を元に纏め上げ、ご購読の皆様へ配信してまいりました。

対して、個別への回答に関しては短文かつ簡潔に回答をさせて頂いております。

そしてこの度、一定数以上のご質問が集まったため、同内容をSKメルマガご購読の皆様と共有したいと存じます。

なお、ご質問の内容に関しては一部修正が施されている箇所もございます。

 

<質問:2020年5月22日>

導出等に関して質問させていただきます。

総会通知には、当社の戦略の中に「一社以上の主要医薬品企業との戦略的提携」を築く予定とあります。導出等の成否がこの会社の未来のすべてでしょう。

しかし一方では、「MN-166は、助成金などを組み合わせた資金調達によって開発の予定」とし、現状では戦略的提携をまだ”模索”するとしています。

あまりに多様なプログラムを本当に有機的・能動的に整理が出来、価値の最大化をどの様に図るのか想像もつきません。10年以上模索が続くなか実質あと1年半で結果が必要です。

1, skさんは、本年中に導出等は出来る思われますか。(もしも理由が有れば嬉しいです)
2, 価値の最大化とは、どのような提携になった時だと思われますか。
3, skさんが予想する「戦略的提携」のあり様を教えてください。

以上よろしくお願い申し上げます。

 

<回答>

回答につきまして以下にまとめさせて頂きます。

 

1.skさんは、本年中に導出等は出来る思われますか。(もしも理由が有れば嬉しいです)

私は本年度中の導出交渉締結は可能と思っております。

MN-166の導出につきましては常々『可能な限り早急に締結する必要がある』と考えており、経営陣も同じように考えていると思います。

その一番の理由がMN-166の売上ポテンシャルの大きさです。

例えばロシュの進行型多発性硬化症(MS)治療薬Ocrevusは2019年 に米国で約31.4億ドルの売上を計上しました。

https://www.roche.com/investors/annualreport19.htm#people

同疾病の適応のみを取り上げたとしても、MN-166の上市が一年遅れると単純計算で約3,000億円規模の機会損失が発生します。

さらに医薬品の場合、特許切れが引き起こす大幅な減収が発生することが多々あり、MN-166のイブジラストに限っては低分子化合物のため、進行型MSに適応があると分かれば必ずジェネリック医薬品が参入してきます。

それ故に、時間の重みはMN-166に限っては非常に大きく、早急な導出契約締結が求められています。

その他定性的な要因として上場廃止リスクの影響も考慮する必要がございますが、上場廃止の可能性は殆どないと見込んでいることから上記を一番の理由とさせて頂きます。
 




 

2.価値の最大化とは、どのような提携になった時だと思われますか。

医薬品の導出による価値の最大化は上市を前提とした場合には、導出元(メディシノバ)が得る契約一時金を少なくし、将来の売上配分であるロイヤリティレートをより高く保有することが価値(売上)の最大化に繋がります。

しかし、メディシノバの場合は多数のパイプラインを保有していること、さらにドラックリポジショニングを前提とする開発戦略によるため用途特許のみが医薬品をプロテクトする主要な方法となっています。

そのことを考慮すると、メディシノバにとっての価値最大化となる提携は、既存パイプラインの全てに対して価値を値付けし(提携先によっては既存パイプラインの一部を必要としないケースもあるため)、既存パイプラインのスピーディーな開発に必要な最低限の資金を契約一時金として取得し、可能な限り高いロイヤリティレートを保有することが価値最大化となります。

 

3. skさんが予想する「戦略的提携」のあり様を教えてください。

メディシノバの経営陣(特に岩城社長)はグローバルな製薬企業になることを夢見ています。

そのため、MN-166の導出は上記2で述べた様に契約一時金よりもロイヤリティレートに重きを置く方針であると思います。

そして導出先に焦点を当てると、巨額な導入契約の場合、資本提携を交えることで実質的な出費(出費が投資に変換されるため)を抑えることが可能です。

例えば、100%子会社との間で総額100億円の導入契約を結んだとしても、その100億円は個別では移動したとしても、連結では移動していないのと同意です。

今回のMN-166は非常に大きな契約が予想されていることからも、導出先はメディシノバの株式を一定数以上保有した上で契約を結ぶことが想定されます。

以上より、私が予想する戦略的提携は「1.導出先によるメディシノバ株取得(資本提携)」「2.必要最低限の契約一時金」「3.メディシノバのロイヤリティレートは高め」を想定しています。

以上でございます。

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