前回の記事「<投資家Q&A-032>メディシノバ ALS治療薬開発競争(イブジラストvsメチルコバラミンvsエダラボン)」においてMN-166(イブジラスト)のALSFRS-Rスコアについて簡単に述べました。
本記事では遡る形になりますが、MN-166(イブジラスト)のALSFRS-Rスコアに関してより詳細に解説します。
今回の解説にはMN-166のALSを適応とするフェーズ1/2aのデータ解析をまとめた「Novel Composite Endpoint Extended Analysis During Extension of Ibudilast Phase 1b / 2a Clinical Trial Better Predicts Post-Wash-Out Surviva」を主に参考にしました。
MN-166のフェーズ2b/3治験の主要評価項目であるASLFRS-Rスコアの予測値の信頼性を上げるため、上記フェーズ1/2aのデータに以下の条件を加えた結果が図表1です。
<MN-166のフェーズ2b/3治験のエンロール対象条件①>
・スクリーニング時点でのALSFRS-Rスコアが35以上。

MN-166のフェーズ2b/3治験のエンロール対象条件の下では、ベースラインの平均スコアは40.70(患者数:30人)に対し、6ヶ月後では平均スコア36.03(患者数:29人)でした。
また、6ヶ月後のスコア増減は-4.67という結果でした。
このMN-166(イブジラスト)のALSFRS-Rスコアの増減である-4.67は、極めて類似している条件下での田辺三菱製薬のエダラボンの結果よりも6.78%良好な結果です(図表2)。

しかしMN-166のALSFRS-Rスコアを考察する上で大きな課題が残っています。
それは、MN-166のフェーズ1/2a治験結果ではMN-166群よりもプラセボ群(+ Riluzole)の方が良い結果を示していることです(図表3)。

プラセボ群ではベースラインの患者数が15名、6ヶ月後では13名とデータの信頼性に欠けること、かつプラセボ群の好結果はRilzuoleが作用したことも大いに考えられますが、このスコア増減-3.35という結果は見過ごせません。
この課題をどの様に解決し、ALSフェーズ2b/3治験の成功率を上げていくかは次回「メディシノバ MN-166(イブジラスト)のALSFRS-Rスコアの詳細(後編)」にて述べさせて頂きます。
<参考文献>
・データ:エダラボン(KEGGデータベース)
・データ:イブジラスト(Novel Composite Endpoint Extended Analysis During Extension of Ibudilast
Phase 1b / 2a Clinical Trial Better Predicts Post-Wash-Out Survival)
<調査銘柄の概要>
4875 : メディシノバ / MNOV : MediciNova
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