メディシノバの導出時期と遅延理由に関するご質問を頂戴しました。
<質問(抜粋・一部修正)>
ブログ楽しく拝見させていただいております。
1.「メディシノバ 2020年度のMN-166の導出時期に関するアンケート結果」 について
「メディシノバ 2020年度のMN-166の導出時期に関するアンケート結果」のなかで、「また、導出時期の予想は1~
2.導出交渉の現状について
現在まで、合意に至っていない理由は、
交渉期間が長期に渡っていることから、
以上2点ご意見お伺いしたく存じます。
<回答>
1.「メディシノバ 2020年度のMN-166の導出時期に関するアンケート結果」 について
「昨年の導出交渉の進捗が大詰め
日本証券所グループでは上場企業に対して、上記項目を認識した場合、速やかな適時開示を義務付けています。
メディシノバは2019年度中に営業利益および営業キャッシュフローのプラスを達成出来なければ、現行制度において上場廃止になることを認識していました。
また、その解決法としてMN-166またはMN-001の導出を公言していました。
よって、メディシノバはMN-166またはMN-001の導出が頓挫する可能性が高いと認識した際には、現行制度において上場廃止となるため、速やかにその事実を公表する義務が発生します。
そして、メディシノバは2019年12月27日に現行制度において上場廃止となると公表しました。
このことは、同日までメディシノバが2019年12月31日までにMN-166またはMN-001の導出が十分に可能と考えていたことであり、それは導出交渉が終盤に差し掛かっている故と私は判断しました。
2.導出交渉の現状について
現在まで合意に至っていない端的な理由は、導出額と資本提携額の折り合いだと私は考えています。
MN-166の導出に関して、私は資本提携も絡んでくると予想しています。
その理由はMN-166のパイプラインの豊富さ故に、メディシノバの開発方針と導出先の開発方針にギャップが生じていると考えるからです。
あくまで想像の範疇ですが、導出先はMN-166の依存症治療薬を適応とするパイプラインは欲して無いのではないでしょうか。
例えば地域を米国とそれ以外に分けた場合、市場規模は同地域でほぼ同じ1:1となります。
メディシノバが米国、導出先がそれ以外の地域のライセンスを保持する条件の下、導出先が依存症治療薬を適応とするパイプラインを拒否した場合、推定導出額$1,747,441,488のギャップが生じます。
しかしメディシノバは米国で依存症治療薬パイプラインの開発を進めていく方針のため、このギャップの部分を資本提携という形で落とし込めれば双方にとって納得のいくものとなります。
問題は資本提携額の規模です。
現在のメディシノバの時価総額は$283,206,000と期待するほどの規模ではなく、この状況下で資本提携を行うとメディシノバとしては思うような額(依存症治療薬パイプラインの開発費)を捻出するため、非常に多くの株式を発行する必要が出てきます。
そうなると、メディシノバの経営陣にとっては株式占有率を考慮する必要があり、関連子会社になるかどうかの意思決定を突き付けられる可能性が大いにあります。
メディシノバは現在、MN-166パイプライン群の(依存症治療薬かどうかに限らず)適応症の取捨選択を迫られ、その上、資本提携による関連子会社の可否も同時に迫られていると私は考えています。
資本提携を交えた導出交渉に関して「メディシノバ MN-166(イブジラスト)の導出先とその方法」でも見解を述べていますので、そちらもご閲読下さい。
導出交渉がいかに複雑で思惑が交錯するかが想像できると思います。
<参考文献>
・日本証券所グループの適時開示制度(会社情報の適時開示制度)
・導出額の算出(メディシノバ 買収総額9000億円のReceptos(レセプトス)との比較 – パイプラインの導出額の推定 –)
<調査銘柄の概要>
4875 : メディシノバ / MNOV : MediciNova
住所 : (日本支社)東京都港区西新橋1-11-5-5F / (本社)4275 Executive Square, Suite 300, La Jolla, California
電話番号 : 03-3519-5010 / 1-858-373-1500
HP : https://medicinova.jp / https://medicinova.com
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