<投資家Q&A-071-1>メディシノバ『デキサメタゾンのMN-166に対する影響』

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<当記事は2020年07月01日にSKメルマガで配信されたコンテンツです。>

<当記事はSKブログへの転載ルール「同内容がメールマガジンで配信された日にちから10日以降」に基づき掲載されます。>

 

これまで、SKメルマガご購読の皆様からEメールにて沢山のご質問を頂戴致しました。

重複するご質問に対してはメルマガコンテンツとして詳細な情報を元に纏め上げ、ご購読の皆様へ配信してまいりました。

対して、個別への回答に関しては短文かつ簡潔に回答をさせて頂いております。

そしてこの度、一定数以上のご質問が集まったため、同内容をSKメルマガご購読の皆様と共有したいと存じます。

なお、ご質問の内容に関しては一部修正が施されている箇所もございます。

 

<質問:2020年6月17日>

日経新聞夕刊に英オックスフォード大学は抗炎症薬デキサメタゾンが新型コロナの重症患者の死亡率を下げる研究結果が出だと発表した。

「デキサメタゾンは低価格で手に入りやすい」とありました。

イブジラストに影響ありますか?

 

<回答>

結論から申し上げると、ロシュのアクテムラが存在する今、デキサメタゾンがMN-166へリスク要因として大きな影響を与えることは無いと申し上げます。

デキサメタゾンは合成副腎皮質ホルモン製剤(所謂、ステロイド剤)です。

そのため、強力な抗炎症作用を持つ成分ではありますが、それに加えて強力な免疫抑制作用も働きます。

免疫抑制作用を持つ薬剤は基本的に感染症に対するリスクが付きまといます。

このように作用機序の観点では、新型コロナウイルス感染症による死亡率低減を目的とする場合、メディシノバのMN-166(イブジラスト)よりもRocheの関節リウマチ治療薬アクテムラに類似する作用であると考えられます。

また、メディシノバのMN-166は新型コロナウイルス感染症によるARDSフェーズ2治験の概要からも分かる通り、重症患者向けではなく、中道症→重症へと移行する可能性のある患者への重症化予防薬として用いられると考えます。

さらに、ロシュはアクテムラの弱点(感染症リスク)を補うために、ギリアドのレムデシビルとの併用治療の開発も進めています。

以上を踏まえ、以下の通り区分することが出来ます。

<新型コロナウイルス感染症に対するアプローチ>
・軽症→中等症:レムデシビル
・中等症→重症:MN-166
・重症→死亡:アクテムラ、デキサメタゾン
・軽症→中等症 / 重症→死亡:レムデシビル + アクテムラ

上記理由により、私はデキサメタゾンがMN-166へリスク要因として大きな影響を与えることは無いと考えています。

 

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