<当記事は2020年07月08日にSKメルマガで配信されたコンテンツです。>
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これまで、SKメルマガご購読の皆様からEメールにて沢山のご質問を頂戴致しました。
重複するご質問に対してはメルマガコンテンツとして詳細な情報を元に纏め上げ、ご購読の皆様へ配信してまいりました。
対して、個別への回答に関しては短文かつ簡潔に回答をさせて頂いております。
そしてこの度、一定数以上のご質問が集まったため、同内容をSKメルマガご購読の皆様と共有したいと存じます。
なお、ご質問の内容に関しては一部修正が施されている箇所もございます。
<質問:2020年6月26日>
イブジラストは様々な適用について治験を進めておりますが、メディシノバが有望な化合物だとして遅々ではありますが、成果をだしてはおります。
イブジラストは元々キョーリンが開発した化合物と認識していますが、これ程有望な化合物を何故キョーリンは手放したのでしょうか?
逆にメディシノバは何故イブジラストを有望だと考えたのでしょうか?
そのあたり経過を含めなかなかわかりません。
キョーリンが手放した理由如何ではイブジラストに期待できるかどうか怪しくなってきます。
<回答>
多岐にわたる神経疾病への効果を期待されているイブジラストですが、メディシノバとキョーリン製薬との間で同薬剤に対する導出・導入契約が結ばれた2004年にはそこまでの可能性があるとは思いもよらなかったはずです。
当時のイブジラストに対する医学的評価は「PDE(ホスホジエステラーゼ)阻害作用」や「炎症性サイトカインの一つであるインターフェロン-γや腫瘍壊死因子であるTNF-αの分泌抑制」が知られていた程度です。
また、ロリプラムというPDE阻害剤も当時から存在していたため、イブジラストの他薬剤に対する有意性に関して疑問を持っていたことは否定できません。
なお、ロリプラムに比べてイブジラストの方が安全性が高いことが分かっています(用量基準では約200倍の投与が可能)。
それに加え、キョーリン製薬の当時の経営戦略上の都合も合ったと思います。
2004年当時の国内製薬会社は海外進出に対して消極的でした。
キョーリン製薬も例に漏れず、前年の2003年度の海外売上高比率は約13%と低く、海外進出は主に導出契約によって他社に任せる方針でした。
それ以外にも、海外での開発環境体制および販売網の構築等、国内製薬企業が海外進出をする課題が多く存在していたのも事実です。
以上より、現在は有望な化合物であるイブジラストですが、当時はその片鱗を見せていただけであり、メディシノバがそれを見抜き、キョーリン製薬がそれを見抜けなかったことが同導出・導入契約に繋がったと思います。
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