製薬・創薬業界『アムジェン vs サノフィ 特許戦争』

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<当記事は2020年5月14日にSKメルマガで配信されたコンテンツです。>

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2020年5月8日、日刊薬業は「プラルエント、特許侵害判決で販売停止 サノフィのPCSK9阻害剤、発売3年半の新薬に異例の事態」と題し、アムジェン(原告)とサノフィ(被告)との間で繰り広げられていたプロタンパク質コンベルターゼスブチリシンケクシン9型(PCSK9)に対する抗原結合タンパク質に関する裁判が、最高裁判所によってアムジェン勝訴が確定し、同裁判が終了したことを報じました。

・「プラルエント」、特許侵害判決で販売停止 サノフィのPCSK9阻害剤、発売3年半の新薬に異例の事態
https://nk.jiho.jp/article/151168

同判決を以て、サノフィが2016年9月から販売していた高コレステロール血症治療薬であるPCSK9阻害剤「プラルエント(原薬:アリロクマブ〈遺伝子組換え〉)」が日本国内で販売停止になりました。

なお、判決が確定した時点での医療機関などに販売済みの同製品は販売差し止めの対象にはなりません。

さらに、米国やドイツなどの米欧でも同様の係争が続いていますが、同報道によると、サノフィは「特許侵害による販売停止はあくまで国内の司法の判断で海外には影響はない」としています。

補足として申し上げると、米国や欧州では裁判所や特許庁の意見が分かれています。

米国では2017年1月、デラウエア州連邦地裁はアムジェンの勝訴と判決を言い渡しましたが、2019年8月の地裁による再審ではサノフィの勝訴となりました。

対して欧州では、欧州特許庁がアムジェンの特許維持を認めているため、サノフィは欧州特許庁に対して審判請求をし、現在審理中です。

そしてドイツでは、アムジェンが保有する特許をサノフィが侵害していると地裁が判決を下しました。

以上より、サノフィの上記コメントは強がりな印象があり、プラルエントの販売維持が可能になるかどうか定かではありません。

・米国における再審判決
https://www.sanofi.com/en/media-room/press-releases/2019/2019-08-28-22-35-00

・欧州特許庁の方針
https://register.epo.org/application?documentId=E21XXBYI4428DSU&number=EP08798550&lng=en&npl=false

・ドイツにおける地裁判決
https://www.amgen.com/media/our-perspective/amgen-comments-on-pcsk9-patent-litigation-in-germany/

 

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