<投資家Q&A-011>メディシノバ 倒産リスクとTOB(株式公開買付)の可能性

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過去にご質問を頂いたメディシノバ株主様より3つのご質問を頂きました。日頃のご閲覧誠にありがとうございます。

<質問事項(一部抜粋)>

6日のブログに関し下記事項に付き貴殿のお心をお聞かせ願えれば幸いです。

1)諸々の進展それに付随しての変更など、企業価値・株主価値を高めるために会社が行ってきた事が、今となっては【器用貧乏】となり今後の運営に大きな足かせとなっているように思えてなりません。
もし交渉先企業が導出額過大と判断し契約出来なければ、貴殿が言われる「プランB」しか道はないのでしょうか?!

2)今後の多大な資金の必要性を考えた時、もし「プランB」もなしえず、上記交渉先企業(世界一流)が過大と判断し契約出来ないと言う事はメディシノバの道は断たれる(倒産)事になるのでしょうか?

3)株価も下がりこのような状況では「TOB」での買収と言う事になる心配は無いのでしょうか?
以上3点何卒宜しくお願い致します。

 

<回答>

1)MN-166の提携または導出を待ち望んでいるメディシノバ株主にとっては現状の(MN-166プロジェクトに属している)パイプライン数が交渉の足枷となっていることは否めません。交渉内容をより複雑に、より高額にしているからです。

また、今年中のMN-166の交渉が頓挫した場合、上場廃止を免れるだけの売上($20,000,000程度)を立てる手段がプランB(MN-001の導出)のみであることも事実です。MN-221(ベドラドリン)やMN-029(デニブリン)もメディシノバの手元に残されていますが、MN-221が$2,500,000で2011年に導入した実績やMN-029の維持費の低さ(2018年度:$2,000)を考えると、この2つが上場維持に寄与するとは考え難いです。

さらにメディシノバが2009年に買収したAvigenが保有するAV-411(イブジラスト)とAV-650(トルペリゾン)の2つのパイプラインであっても、前者がMN-166と重複すること、後者がメディシノバに買収されるきっかけとなったフェーズ2b治験の失敗により、上記同様に影響を与えないと予想します。

 

2)現実的な話として、導出交渉の頓挫による倒産の可能性は限りなくゼロに近いです。将来的にメディシノバが導出や提携を締結できなかったとしても、2019年6月末時点で株主資本$73,181,610,000を保有してるため、少なくともMN-166のALS適応とDCM適応のフェーズ3治験パイプラインの結果が出るまでは倒産リスクは低いでしょう。

しかし、倒産リスクは低いにせよ、導出交渉の頓挫は直接的に、そして新規株式発行を伴う資金調達など間接的に株価下落リスクを非常に高めることに留意して下さい。

 

3)個人投資家の支配率が高いメディシノバの場合、同社の買収にはTOB(株式公開買付)による買収が最も可能性が高いでしょう。しかし経営権を握る目的でのメディシノバの(敵対的な)買収は非常にハードルが高い状況です。

一般的な新規株式発行以外の理由として、反企業買収法がメディシノバへ適応されているからです。反企業買収法が適応されている株式公開企業を買収した場合、特例を除き3年間の事業統合が法律的に禁止されています。

また、経営権を手中に収めるためには外部から取締役をメディシノバに送り込む必要がありますが、株式保有率を高めたとしても、メディシノバの定款(取締役の任期3年、クラス3区分)により経営の掌握まで最長3年の月日が掛かります(詳しくは「メディシノバ 2019年 株主総会決議事項の解説」参照)。

なお、買収防衛策としてメディシノバが2006年11月27日に導入した「ライツ・プラン」は2010年6月を以て終了しています。そのため、過去に比べるた場合は買収しやすくなっているのは確かです。

以上より、TOBにより不当な価格でのメディシノバ株の売却を迫られる可能性は低いです。

<調査銘柄の概要>
4875 : メディシノバ / MNOV : MediciNova
住所 : (日本支社)東京都港区西新橋1-11-5-5F / (本社)4275 Executive Square, Suite 300, La Jolla, California
電話番号 : 03-3519-5010 / 1-858-373-1500
HP : https://medicinova.jp / https://medicinova.com

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