創薬ベンチャーの時価総額分析-Part 1 時価総額と財務項目の大まかな関連性

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時価総額は企業の事業や財務、さらには景気動向や流行り廃りなど、数えきれない要因によって構成されています。本ブログでは「創薬ベンチャーの時価総額分析」と題し、日本の株式市場に上場している創薬ベンチャーの時価総額が何によって構成されているのかを定量的に探求していこうと思います。

本記事(Part 1)ではまず日本の医薬品業種に属する全ての企業とその時価総額を抽出します。図表1はそれをグラフ化したものです。

データ取得:2019/6/19
(図表1:医薬品業種の時価総額 – 全体 作成:SKブログ)

創薬ベンチャーで最も大きい時価総額を誇るそーせいグループであったとしても、全体で見ると製薬・創薬企業の1つに過ぎないと実感させられます(全体22位)。

また、本ブログで多くの記事を掲載しているメディシノバは全体の中央近辺の位置にあります(全体36位)。

続いてもう少し詳しく見ていきます。医薬品業種は安定した売上が立っている企業と、契約一時金やマイルストーンなど一時的な売上もしくは売上がない企業の2パターンに分けられます。

そのため、上記68企業を東証一部とそれ以外の市場に分類し、時価総額と企業の根幹となる財務項目(前期)の売上高、総資産、純資産(以下、財務項目と言う)の計4項目を図表2,3にまとめました。

なお、医薬品業種にはビジネスモデルが製薬・創薬とは異なる企業も含まれていますが、本記事ではそれらを区別しません。

データ取得:2019/6/19
(図表2:医薬品業種の時価総額 – 東証一部 作成:SKブログ)
データ取得:2019/6/19
(図表3:医薬品業種の時価総額 – 東証一部以外 作成:SKブログ)

図表2,3に目を通してみると、私の感覚的には時価総額と財務項目とには一貫性があまり見られず、項目ごとの関連性は低いように思われます。特に時価総額と売上高に関しては関連性は無いのではないでしょうか。

本記事では医薬品業種に属する企業の時価総額と財務項目の関連性を感覚的に捉える試みをしてみました。しかし、関連性を視覚的に測れるほどの一貫性は確認できませんでした。

そのため、次回の「創薬ベンチャーの時価総額分析」では時価総額と財務項目の数値を統計的に分析し、関連性を考察していく必要があります。

 

<参照>
・銘柄データ(ヤフーファイナンス)

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