※当記事は2021年5月25日にSKメルマガで配信されたコンテンツです。
<質問>
導出の可能性が低く、フェーズ3の縮小という事は目標株価一万円からは、大きく減額になるという理解でよろしいでしょうか?
<回答>
導出の可能性につきましては依然としてあるものの、メディシノバ既存株主様が期待する様な時間軸(今年度内など)での導出交渉締結は難しいと判断しております。
これまでのメディシノバから発信された情報を読み解くと、導出から始まり、共同開発へと交渉の流れが変わって来たこともあり、導出交渉の難関は常々申し上げて来た通り、MN-166のPMS以外のパイプラインの価値評価や開発の取り組みに対する姿勢の相違にあると考えております。
そのため、交渉先がその点を受け入れるか、もしくは、進行中のその他のパイプラインの開発が頓挫するかどうかが焦点になります。
フェーズ3治験の費用が既に割り当てられているALSやDCMはその問題はクリアだと思いますが、少なくとも今後フェーズ3(2b)治験が予想されるアルコール依存症およびARDSのフェーズ2治験の両方でネガティブな結果が出ない限り難しいでしょう。
私はアルコール依存症に対するMN-166の効果は慎重に見ておりますが、ARDSに対するそれは非常に期待しております。
よって、前述した両方の治験においてネガティブな結果が出る可能性は低く見積もり、それ故、直近での導出交渉締結は難しいと社長メッセージを読み考えを改めた次第です。
そして、導出交渉が締結しないことがPMS治療薬の開発縮小と誤解を与えてしまったかもしれず、お詫び申し上げます。
PMSフェーズ3治験の適応症の修正について具体的に述べますと、これまでメディシノバは一般的なEDSSをエンドポイントの指標としたフェーズ3治験を次の段階としておりましたが、その他の治験(例えば、PMS起因による眼疾患)を間に挟むことで将来売上の確保やデータの獲得を目指し、PMS治療薬の開発リスクを低減しようと試みていると考えております。
そのため、PMS治療薬の開発を縮小した訳ではなく、MN-001によるNASH治療薬の開発の流れと同じような状況です(NASH治療薬の開発ではエンドポイントに大規模生体検査が必要なため、より資金的難易度の低い中性脂肪値をターゲットとする治療薬開発の検討)。
最後に目標株価1万円についてですが、同目標株価は以上のような導出を前提としない場合には成り立たちません。
対して、2021年3月7日に配信した【メディシノバ『進行型多発性硬化症(PMS)治療薬の共同開発とALS治療薬の自社開発から算出する目標株価(目標株価の算定)』】で記載している将来キャッシュフローにより重きを置いた目標株価1万8000円のプライオリティが上がった状況です。
導出を前提としたより短期間での目標株価ではなく、より長期的な、共同開発を前提とした目標株価1万8000円を現時点のターゲットとしております。
しかし、1万8000円は共同開発を前提としているため今後修正をしていく次第でございます。
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