メディシノバ 『ARDS(急性呼吸窮迫症候群)の患者数および医療費市場規模とARDSに対するMN-166の売上市場規模の推定(後編)』

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<当記事は2020年4月19日にSKメルマガで配信されたコンテンツです。>

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・MN-166の新型コロナウイルス感染によるARDSに対するターゲット

1.MN-166はARDSの回復に対して効果を発揮するかどうか。
2.MN-166はARDSの発症を予防するかどうか。

 

新型コロナウイルス感染によるICU入院率・重症率は約12~13%です。この数値は上記イェール大学先端治療センターでの人工呼吸器使用者数17%に近い数値となっています。

さらに、ARDS発症率は感染者の約6%であり、ICU入院者・重症者の半分近くがARDSを発症していることになります。

よって、2020年4月12日時点の数値(感染者数:約2万人)を参考にするならば、米国では一日あたり約1,200人のARDS発病者がいることになります。

これをICU治療費約22.5万ドル(5日間)を用いて計算すると、米国における新型コロナウイルス起因のARDS治療費は1クール(基準日ごとのARDS発病後から5日間)あたり2.7億ドルとなります。

では、MN-166の1クールあたりの売上を推定致します。

MN-166は進行型MS(多発性硬化症)治療薬としても開発が進められており、その将来販売価格の評価指標としてRocheのOCREVUSの売上高や販売価格が用いられます。

今回もその例に漏れず、OCREVUSを用いた患者一人あたりの年間費用6.5万ドルを用いて、MN-166の一日あたりの費用を算出します。

MN-166は進行型MSの治療法として、毎日二回の投与を設定します(50mg / 回)。

よって、MN-166の費用は一日あたり約180ドルとなり、一回あたりでは約90ドル、10mgあたりでは約18ドルとなります。

メディシノバは数多くの研究により、MN-166の投与量を一回あたり50mgが最適と導き出しているため、ARDSに対しても50mg / 回、投与回数も二回とすることが有力であると思います。

よって、MN-166の新型コロナウイルス感染によるARDSに対しての1クールあたりの市場規模は、54万ドル(1200人 × 5日間 × 90ドル)と推定されます。

ARDSの回復に対するMN-166投与の承認後、新型コロナウイルスが二ヶ月間(60日)続いた場合を例に取ると、その売上規模は32.4百万ドル(54万ドル × 60クール)となり、日本円換算では32億4千万円となります(1ドル = 100円)。

さらに、ARDS予防薬(軽度・中度肺炎から投与)としてMN-166が承認された場合、その規模はより大きくなります。

新型コロナウイルス感染者は比較的症状が軽かったとしても、発症後の入院から退院まで約二週間かかります。

また、感染者の約60%で肺炎の症状が見受けられます。

よって、米国においては一日あたり12,000人の新型コロナウイルス感染による肺炎患者が存在します。

上記ARDSに対するMN-166のと同様に、投与回数を一日二回と設定し、投与量に関しては実際に承認を得ている10mgによる投与を前提にMN-166の売上を考えます。

10mgの場合、その売上は18ドルです。それを一日二回で36ドルとなります。

よって、12,000人に投与した場合、一日あたりのMN-166の売上は43.2万ドルと推定されます。

12,000人の患者は退院までの二週間に渡りMN-166が投与されると考えられるため、604.8万ドルが1クールあたりの売上規模となります。

ARDSの回復に対するMN-166投与のケースと同様に、上記状況が二ヶ月間(60日)続いた場合、3億6298万ドルと算出されます。

以上より結論です。

 

<結論:ARDSと新型コロナウイルス感染によるARDS>

1.米国におけるARDS患者数は年間約21〜26万人。

2.ARDS(滲出期・急性期)の年間治療費は約472.5億〜585.5億ドル。

3.MN-166の新型コロナウイルス感染によるARDS治療薬は、回復用途と予防用途の二種類が考えられる。そして、2020年4月11日水準で考えた場合、MN-166の売上規模は、

3−1.ARDS回復用途では、月間16.2百万ドルの売上規模が推定される。

3−2.ARDS予防用途では、月間181.5百万ドルの売上規模が推定される。

 

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