<当記事は2020年4月19日にSKメルマガで配信されたコンテンツです。>
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メディシノバが開発を開始した新型コロナウイルス感染によるARDS(急性呼吸窮迫症候群)の米国における患者数および医療費市場規模、さらにはARDSに対するMN-166(イブジラスト)の売上市場規模の推定を本記事で行います。
最新の論文によると、米国におけるARDS患者の人口に対する割合は、10万人に対して年間64.2〜78.9人と結論付けられています。
その割合を用いて米国の人口約3億3060万人に置き換えると、年間約21〜26万人のARDS発病者が存在することとなります。
また、致死率40%のARDS患者は例え生還したとしても高次脳機能障害による認知機能障害などの大きな後遺症や、肺機能障害を患うことが多いです。
よって退院後も継続的な通院が必要であり、こういった生還者も含めると年間約12〜15万人の元ARDS患者が存在します。
このように、ARDSは生還後の人生にも関わってきますが、基本的にARDSは三つのフェーズに区分されます。
<ARDSのフェーズ>
1.滲出期(急性期):発病後3〜7日以内
2.増殖期:発病後7〜21日
3.線維化期:発病後21~28日以降
1.滲出期(急性期)では、急性炎症により肺水腫が発生することで呼吸不全が進行します。
なお、以前のメルマガでも解説いたしましたが、肺水腫は肺胞内へ水分が漏出することにより呼吸困難に陥る症状のことです。
2.増殖期では、肺胞内の血漿が固まることにより肺胞壁への付着が見受けられます。この状態を硝子膜と呼びます。
その他、組織の線維化に関わる筋線維芽細胞の増殖も見受けられます。
3.線維化期では筋線維芽細胞による分化により膠原線維が組成されます。この膠原線維により肺胞の線維化が進みます。
ここで上記定義の下、医療費市場規模の推定に移ります。
ARDSの滲出期(急性期)では、殆どの場合でICU(集中治療室)での治療を受けることになります。
滲出期(急性期)の最長期間である5日間をICUで過ごした場合、その費用は下記図表1を参照すると約22.5万ドルとなります。
以上より、米国におけるARDSの滲出期(急性期)の治療費は年間472.5億〜585.5億ドル程度と推定されます。
さて、ここでMN-166(イブジラスト)をどのフェーズにおいて投与するかを検討します。
メディシノバのイェール大学先端治療センターとの共同治験においては約200人の新型コロナウイルス感染患者が入院しており、うち34人(全体の17%)が人工呼吸器を使用していると述べられています。
創薬コンサルタントのFederico Gaetaによると、同治験において、全ての患者(約200人)に対してMN-166を投与するとされています。
よってMN-166はARDSの全てのフェーズ、および、ARDS発症前の患者へも投与されると推測されます。
これにより、二つのターゲットが設定されます。
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