メディシノバ 株価から考察する経営活動の成果

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メディシノバは2012年5月当時、最も期待をしていたプロジェクト:MN-221(医薬品種: β2レセプター作動剤)が頓挫することとなり経営方針の見直しを行いました。

今回の記事では、見直しを行う前後で経営活動 がどの様に評価されているかを株価から考察しようと思います。

(図表:メディシノバの株価と出来高 作成:SKブログ)

上記図表はメディシノバが大阪証券取引所 ヘラクレス市場(現 東京証券取引所 JASDAQ市場)に上場した2005年2月8日から2019年6月27日までの株価と出来高を日単位で表したものです。

同銘柄は2006年11月2日に株式併合(10株→1株)が実施され単位株価が10倍となりました。今回の図表では上場時と併合後の株価を分かりやすく表したかったため、図表株価には株式併合を反映させませんでした(併合後の株価を10倍としない)。

 

さて、経営方針転換期以前(上場日からMN-221が頓挫する2012年5月までの期間)の株価を見ると概ね一本調子で下げ相場が続いたと言えます。

この期間はプロジェクト数も7つと多く(転換期以降はMN-166とMN-001の2つ)、また2つのパイプラインでフェーズ3を実施するも中止したという経緯があります。

結果として2012年12月末までに当時レートで約370億円という巨額の累積欠損を出すこととなりました。失礼な言い方ですが、お粗末な経営だったという評価を下します。

しかし転換期以降、過去の努力が実を結び始めました。図表の○印は転換期以降に開始した主要パイプラインについてです。MN-166のPMS(進行型多発性硬化症)、ALS(筋萎縮性側索硬化症)、そしてMN-001のNASH(非アルコール性脂肪性肝炎)と全てのパイプラインにおいて開発が順調に進でいます。

その実績が実を結び転換期以後から2019年6月27日までに株価は約3倍の成長をしました(31円→99円)。

バイオベンチャー投資の場合、6年間で3倍だと少々物足りない気がします。しかしメディシノバは現在、時価総額約450億円に対して累積欠損が約360億円あります(2019年6月時点)。その財務的なハンディキャップも考慮すると、十分に成果を上げていると判断を下せるはずです。

 

<参考文献>
2012年 累積欠損金
2019年第1四半期 累積欠損金

<調査銘柄の概要>
4875 : メディシノバ / MNOV : MediciNova
住所 : (日本支社)東京都港区西新橋1-11-5-5F / (本社)4275 Executive Square, Suite 300, La Jolla, California
電話番号 : 03-3519-5010 / 1-858-373-1500
HP : https://medicinova.jp / https://medicinova.com

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