メディシノバ MN-166(イブジラスト)のARDS動物モデルスタディの解説(序章:評価方法)

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メディシノバが重症肺炎および急性呼吸窮迫症候群(ARDS)を対象としたMN-166(イブジラスト)の開発開始のキッカケとなったARDS動物モデルスタディ(Med Sci Monit、2020; 26:e922281)について解説致します。

同スタディは中国北京にある中日友好病院の胸部外科チームによって行われたものです。

このチームがどの様にARDS動物モデルスタディを行ったのかを順を追って説明します。

動物モデルスタディでは必ずターゲットとなる疾患を持った動物(同スタディではマウス)を用意する必要があります。

同スタディはARDS疾患に関するもののため、ADRSを患ったマウスを用意します。

ARDSを発病する一般的な流れは、肺の炎症(肺炎)から始まり、肺胞内へ水分が漏出すること(肺水腫)により呼吸困難となり、ARDSと診断されます。

よって同スタディで用いるマウスをこの流れに乗せる必要があり、そこで用いたものがLPS(リポ多糖)です。

LPSは様々な免疫活性を誘導する物質で、大気中やタバコの煙にも含まれています。非常に身近な物質であり、呼吸により肺に取り込まれます。

そして、肺に取り込まれたLPSに反応し、免疫細胞である好中球が肺に集まることで肺炎を引き起こします。

同スタディもこの流れと同様に、マウスにLPSを投与することでマウスを肺炎状態にしました。

続いて、同スタディの方法に移ります。

同スタディでは40匹のマウスを用意し、その40匹のマウスを四つのグループ(健康体・LPS投与・LPS投与+イブジラスト3.75mg / kg・LPS投与+ イブジラスト7.5mg / kg)に10匹ずつランダムに割り当てました。

評価項目(ARDSに対してイブジラストが効果を発揮しているかどうかの指標)には、肺水腫スコアを用いた肺損傷後の肺水蓄積量と、ELISA(酵素結合免疫吸着検定法)を用いた血清中の炎症性因子(TNF-a、IL-1β、IL-6、およびMCP-1)の水準を設定しています。

この評価項目において、下限(健康体グループ)と上限(LPS投与グループ)に対して、イブジラスト投与群(LPS投与+イブジラスト3.75mg or 7.5mg / kg)がどういった数値になるかを見ることで、ARDSに対してイブジラストが効果を発揮しているかどうかを判断します。

 

当記事のご購入は、SKブログ記事8本分(序章・肺水腫編:上下・血清および肺組織炎症性サイトカイン編:上下・肺組織ケモカイン編・肺組織におけるアポトーシスおよび総括編:上下)に該当致します。

 

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