メディシノバ『Covid-19ワクチン:アンジェスのDNAワクチンに勝るメディシノバのベクターワクチン』

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<当記事は2020年7月28日にSKメルマガで配信されたコンテンツです。>

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メディシノバの日本人株主の我々にとって、Covid-19ワクチンの開発を日本で先行するアンジェスのDNAワクチンが当面の間比較対象となります。

主なワクチンの種類は6種類であり、その種類とCovid-19ワクチンを開発する製薬・創薬会社を以下にまとめます。

<ワクチンの種類:Covid-19ワクチンを開発する製薬・創薬会社>
・ウイルスベクターワクチン:メディシノバ、アストラゼネカ、ジョンソン&ジョンソン
・mRNAワクチン:ファイザー、モデルナ
・DNAワクチン:イノビオ、アンジェス
・組み換えたんぱく質ワクチン:サノフィ、塩野義製薬
・組み換えウイルス様粒子ワクチン:田辺三菱製薬
・不活化ワクチン:明治ホールディングス

ワクチンの種類の解説はまたの機会にし、今回はメディシノバのベクターワクチンがアンジェスのDNAワクチンに勝る点・劣る点を解説します。

ワクチンは対象のウイルスに対する免疫反応を人体にもたらすことが目的です。

人体の免疫反応には「液性免疫」と「細胞免疫」の2つの免疫が存在し、血液中の抗体によってウイルスを排除する免疫を「液性免疫」、免疫細胞(キラーT細胞)によってウイルスを排除する免疫を「細胞免疫」と呼びます。

ウイルスを排除するにあたっては両方の免疫を人体にもたらす方が好ましいですが、難易度の高さ故両方の免疫作用をもたらすワクチンは、米国のジョンソン&ジョンソンのエボラウイルスワクチン(ウイルスベクターワクチン)と中国のカンシノ・バイオロジクスのエボラウイルスワクチン(ウイルスベクターワクチン)のみが承認された例となっています。

上記からも分かる通り、メディシノバのワクチンはウイルスベクターワクチンに該当することから「液性免疫」と「細胞免疫」が期待され、アンジェスのDNAワクチンも両方の免疫作用が期待されます(mRNAワクチンも同様、それ以外は液性免疫のみ)。

期待される免疫作用の「数」では両者イーブンとなります。

しかし、期待される免疫作用を実際に作用させられるかは両者で異なります。

これは人体への投与物が理由となり、ウイルスベクターワクチンはその名の通り人体に無害な状態のウイルスを投与し、DNAワクチンは大腸菌をベースとした組み換えDNAを投与します。

そのため、ワクチンがしっかりと人体の細胞の中に取り込まれ、作用のスイッチをオンにする能力が両者で異なり、ウイルスベクターワクチンは最もその効果が高いとされており、DNAワクチンはその作用が最も苦手とされています。

結論として、ウイルスベクターワクチンはワクチンとしての仕事をシッカリと行う能力が高く、DNAワクチンはワクチンとしての仕事をするかどうかが不安定であり、ワクチンとしてのポテンシャルはウイルスベクターワクチンに圧倒的に軍配が上がります。

Covid-19ワクチンの開発状況に関するニュースが連日報道されていますが、メジャーな製薬・創薬会社がDNAワクチンに着手しない理由がここにあります。

しかし、ウイルスベクターワクチンにもデメリットが存在し、それは投与するウイルスに対する免疫も同時に作成されてしまう点です。

そのため、ウイルスベクターワクチンは基本的に1度のみの投与が可能であり、2度目のチャンスはありません(アストラゼネカは2回投与の検証も実施しています)。

対してDNAワクチンは複数回投与が可能です(ウイルスベクターワクチン以外は全て複数回投与が可能)。

最後に、DNAワクチンのメリットも述べます。

DNAワクチンは2つの免疫作用が期待される「ウイルスベクターワクチン」「mRNAワクチン」と比べ、製造期間の短さが特徴です。

しかし、ワクチンへの最も大きな期待は製造期間の短縮ではなくその効果であることから、開発段階においてそれをメリットと呼べるかは甚だ疑問です。

 

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