<投資家Q&A-023>メディシノバ 1~2年スパンにおける時価総額の推定

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1~2年スパンでのメディシノバの株価についてご質問を頂きましたので本記事にて回答させて頂きます。

<質問(一部抜粋)>

私は、約3年ほど前からメディシノバの株を徐々に増やしている50代のヘルスケア関係大好きおやじです。

メディからのいまだに何も発表のない状況にさすがに大丈夫か?と思い始めている今日この頃です。しかしながら、治験の方は、遅れあるのでしょうが、時とともに順調に進んでいる事と思っております。

ところで、メディは今後、導出や業務提携など進めていくとのアナウンスがありましたが、1~2年のスパンでは、どのくらいの株価になるとお考えになっておりますか?

 

創薬ベンチャーの適正株価を評価する方法は多数存在します。本ブログでも将来予測に付随するディスカウントキャッシュフロー法(DCF法)での評価や、株価をベースにしたよりシンプルな評価などにより株価の参考値を公開してきました。

今回のご質問に対する回答ではPBR(株価純資産倍率)を前提とした評価方法を用いさせて頂きます。

私は創薬ベンチャーのPBRは5~6倍が適正と認識しています。特に日本市場に上場している創薬ベンチャーのPBRの平均値は6.19倍、PBRの上位下位1社ずつを除いた平均値は5.19倍となっています(2019年6月時点に日本証券取引所に上場している創薬ベンチャー24社が対象)。

上記PBRの評価法に関する詳細については以下3つの記事をご参考下さい。

 

<創薬ベンチャーの時価総額分析>

創薬ベンチャーの時価総額分析-Part 3 時価総額とPBR(株価純資産倍率)の対比

創薬ベンチャーの時価総額分析-Part 2 時価総額と財務項目の相関分析

創薬ベンチャーの時価総額分析-Part 1 時価総額と財務項目の大まかな関連性

 

そしてPBRは時価総額を株主資本で割ることで算出されます。故に1~2年後の株主資本を推定する必要がありますが、同スパンにおいて増資以外の想定される株主資本の増加は導出を伴う提携が主なイベントです。

よって今回は導出契約の一時金とPBRの倍率から1~2年後の時価総額を推定します。

(図表1:契約一時金とPBR評価による時価総額 作成:SKブログ)

導出による契約一時金の額を$100,000,000から$1,000,000,000の範囲で図表1の系列部に示しました。

仮に契約一時金が最も低い$100,000,000とし、創薬ベンチャーの平均PBRの6倍で計算するとメディシノバの時価総額は$1,046,106,240と算出されます。

<算出式>
時価総額 = (契約一時金 + $74,351,040)× PBR
(注)$74,351,040は2019年9月末時点の株主資本額。

結局のところ、導出一時金の額によって1~2年スパンにおける株価が決定すると思いますので、その額次第で株価は大きく変動すると予想します。

私としては$100,000,000以上を見込んでいるため、少なくとも時価総額$1,046,106,240以上をターゲットにしています(1株 = $23.8 = ¥2,613、2019年12月2日の為替レート)。

<調査銘柄の概要>
4875 : メディシノバ / MNOV : MediciNova
住所 : (日本支社)東京都港区西新橋1-11-5-5F / (本社)4275 Executive Square, Suite 300, La Jolla, California
電話番号 : 03-3519-5010 / 1-858-373-1500
HP : https://medicinova.jp / https://medicinova.com

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