メディシノバ MN-166(イブジラスト)のARDS動物モデルスタディの解説(肺水腫編:上)

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1.肺水腫

(図表1:病理学的症状および肺組織内における肺水腫に対するイブジラストの影響 作成:SKブログ)

図表1の項目A〜Cの詳細は後述するとして、A:PDE4の発現水準の分析、B:HE染色による病理学的症状の分析、C:肺水腫の分析、をそれぞれ表しています。

 

A:PDE4の発現水準の分析

 

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そしてA左部から、炎症作用のあるPDE4の量が「健康体」グループが最も少なく(薄く)、「LPS投与」グループが最も多い(濃い)ことが分かります。

また、「LPS投与+イブジラスト3.75mg / kg」と「LPS投与+ イブジラスト7.5mg / kg」を比べると「LPS投与+ イブジラスト7.5mg / kg」の方が量が少ないことから、イブジラストはPDE4の量を減らす効果があり、さらにイブジラストの投与量が多い方がよりPDE4を減らせるという仮説が生まれます。

対して、GAPDHにはどのグループにおいても変化が見られませんでした。これはイブジラストがGAPDH量の抑制に効果が発揮されていないのではなく、そもそもLPS投与による肺炎にGAPDHが関わっていない(GAPDHの量が増加しない)ことも考えられます。

しかし、残念ながら同スタディではその理由までは考察されていないため、特に同スタディではGAPDHの存在は無視して良いと判断します。

A右部は検出PDE4の発現量を数値化し統計解析をしたものです。

同スタディではまず、「健康体」グループと「LPS投与」グループにおいて、LPSを投与した場合にしっかりとPDE4が増加しているかを解析しています。

その結果、LPSを投与したマウスはPDE4が1.5倍に増加するということが立証されました(p < 0.001)。10:10の合計20匹のデータ数においてp < 0.001となっているため、まず間違いなく増加することが分かります。

その上で、「LPS投与」グループと「LPS投与+イブジラスト3.75mg / kg」グループおよび「LPS投与+ イブジラスト7.5mg / kg」を統計解析することで、イブジラストがPDE4を減少させるかどうかを検証しています。

その結果、「LPS投与+イブジラスト3.75mg / kg」グループでは統計的に有意な結果は得られませせんでしたが、「LPS投与+ イブジラスト7.5mg / kg」グループでは統計的に「LPS投与」グループに比べ約30%のPDE4減少効果が認められました(p < 0.001)。

 

当記事のご購入は、SKブログ記事8本分(序章・肺水腫編:上下・血清および肺組織炎症性サイトカイン編:上下・肺組織ケモカイン編・肺組織におけるアポトーシスおよび総括編:上下)に該当致します。

 

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