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1.肺水腫
図表1の項目A〜Cの詳細は後述するとして、A:PDE4の発現水準の分析、B:HE染色による病理学的症状の分析、C:肺水腫の分析、をそれぞれ表しています。
A:PDE4の発現水準の分析
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そしてA左部から、炎症作用のあるPDE4の量が「健康体」グループが最も少なく(薄く)、「LPS投与」グループが最も多い(濃い)ことが分かります。
また、「LPS投与+イブジラスト3.75mg / kg」と「LPS投与+ イブジラスト7.5mg / kg」を比べると「LPS投与+ イブジラスト7.5mg / kg」の方が量が少ないことから、イブジラストはPDE4の量を減らす効果があり、さらにイブジラストの投与量が多い方がよりPDE4を減らせるという仮説が生まれます。
対して、GAPDHにはどのグループにおいても変化が見られませんでした。これはイブジラストがGAPDH量の抑制に効果が発揮されていないのではなく、そもそもLPS投与による肺炎にGAPDHが関わっていない(GAPDHの量が増加しない)ことも考えられます。
しかし、残念ながら同スタディではその理由までは考察されていないため、特に同スタディではGAPDHの存在は無視して良いと判断します。
A右部は検出PDE4の発現量を数値化し統計解析をしたものです。
同スタディではまず、「健康体」グループと「LPS投与」グループにおいて、LPSを投与した場合にしっかりとPDE4が増加しているかを解析しています。
その結果、LPSを投与したマウスはPDE4が1.5倍に増加するということが立証されました(p < 0.001)。10:10の合計20匹のデータ数においてp < 0.001となっているため、まず間違いなく増加することが分かります。
その上で、「LPS投与」グループと「LPS投与+イブジラスト3.75mg / kg」グループおよび「LPS投与+ イブジラスト7.5mg / kg」を統計解析することで、イブジラストがPDE4を減少させるかどうかを検証しています。
その結果、「LPS投与+イブジラスト3.75mg / kg」グループでは統計的に有意な結果は得られませせんでしたが、「LPS投与+ イブジラスト7.5mg / kg」グループでは統計的に「LPS投与」グループに比べ約30%のPDE4減少効果が認められました(p < 0.001)。
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