メディシノバ『資本提携を交えた多発性硬化症を含む神経疾患パイプライン群の導出事例から読み解くMN-166の契約金(後編)』

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<シリーズ記事>

メディシノバ『資本提携を交えた多発性硬化症を含む神経疾患パイプライン群の導出事例から読み解くMN-166の契約金(前編)』

 

<本文>

最後に、販売ライセンスの付与についてです。

Sangamoパッケージは全世界の販売ライセンスを導出先へ付与しています。

対して、MN-166パッケージは米国以外の地域に限ります。

米国の全世界に占める医薬品売上の割合は約45%です。よって、Sangamoパッケージの米国を除く導出総額は$1,496,000,000に該当します。

ここまでで背景と要点を述べ、ここからはMN-166パッケージの導出契約金がSangamoパッケージのそれに比べてどうなのかを考察します。

両者を比較すると、パッケージの強みと弱みが相反します。

MN-166パッケージの強みは開発進捗であり、弱みは用途特許切れ後の参入障壁の低さです。

Sangamoパッケージの強みは独自技術を生かした参入障壁の高さですが、弱みは開発進捗です。

この二つの強弱を利用しMN-166パッケージの導出契約金を推定します。なお、MN-166のパッケージにおける開発進捗と参入障壁に関しては、そのポテンシャルの大きさから進行型MSを強く意識します。

メディシノバが公開した「2019年 株主通信vol.25」を参考に開発成功率のデータを見ると、非臨床試験から上市までの成功確率は約12%です。また、フェーズ3から上市までの成功確率は約72%です。

また、MN-166パッケージの参入障壁を進行型MSの用途特許によるものとすると、2034年11月(延長5年間)までの約15年の障壁を維持出来ます。

Sangamoパッケージはゲノム制御に関する技術特許です。同手法により開発されたTauopathiesが始めて登場したには2018年のため、そこから最長25年を同技術に対する特許期間と見込めます。

それに加え、1995年に設立されたSangamoが同技術を手に入れるために23年掛かっていることを考えると、参入障壁が崩れるまでの期間として48年程が見込まれます。

以上を踏まえ、Sangamoパッケージの米国以外の地域を対象とする導出金額$1,496,000,000から、米国以外の地域を対象とするMN-166パッケージの導出金額を推定したものが図表1、2となります。

(図表1.Sangamoパッケージから推定するMN-166パッケージの推定導出額)
(図表2.パイプライン本数調整後のMN-166パッケージの推定導出額)

図表1から、MN-166パッケージの米国以外の地域を対象とする導出額は31億ドル〜44億ドル程度と推定されました。

また、図表2ではパッケージ内のパイプライン本数に差異があるため、本数調整をした推定値を表示しています。

その結果、本数調整後の米国以外の地域を対象とするMN-166パッケージの導出額は25億ドル〜37億ドル程度と推定されました。

今回、参入障壁の年数や成功可能性の率を設定する上で、どうしても感覚的な要素が入ってしまいます。

私は上記図表1、2のように設定致しましたが、読者の皆様もご自身が考える設定において上記マトリクスを参考の上、推定値を出してみて下さい。

 

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