<投資家Q&A-049>ステムリム 間葉系幹細胞の再生能力の基準について

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記事「<投資家Q&A-037>ステムリム パイプラインの成功可能性・再生誘導医薬の未来・PJ2 – PJ5の導出見込みについて」に対する追加のご質問を頂戴しました。

 

<質問(一部抜粋)>

ご回答の中で、以下の記述がありました。

上記表皮水疱症のフェーズ2治験結果の公表物において、「KOI2投与終了後の最終観察時点(投与終了6か月後)においても、9例中7例が治療前値を下回る改善を示し、そのうち4例は50%以上の著明な改善」と記述されていましたが、表皮再生にも関わらず、「治療前に比べて50%以上の改善」程度では間葉系幹細胞の能力の強度に疑問を持ったとしても不思議ではありません。

この点、難治性の疾病を考慮しても、44%の患者で「治療前に比べて50%以上の改善」程度では間葉系幹細胞の能力の強度としては低いと捉えるべきなのでしょうか?一つの目安として、何割程度の改善なら著効とみられますでしょうか?

 

<回答>

ステムリムに関しての重ね重ねのご質問誠にありがとうございます。

上記結果について、一研究としては「治療前に比べて50%以上の改善」はとても素晴らしい結果だと思います。

しかし時価総額300億円を超える上場企業の主力品であるKOI2の今後を占う上では、今でも「治療前に比べて50%以上の改善」では弱いと感じています。

その論点として上げられるポイントは、再生誘導医薬を扱うステムリムが再生医療銘柄として認識されていることです。

再生医療はiPS細胞の研究からも分かる通り、機能面で100%に近い再生を目指しています。

例えば去年の9月に世界で始めてiPS細胞を用いた角膜移植が実施され、治験が開始されました。まだ結果は出ていませんが、失明患者の視力回復を目指しています。

ここで重要なことは、iPS細胞が少なくとも損傷部をカバーするほどの領域で、角膜まで分化出来たことです。

それに比べると、表皮水疱症の病状として表皮が剥がれ落ちることを踏まえたとしても、「治療前に比べて50%以上の改善」では弱く、人間の表皮は何をしなくとも再生することを考えると、投資家は「剥離部分の全域を再生」を期待していたのではないでしょうか。

なぜなら、これから外傷性軟骨損傷・変形性膝関節症、外傷性脳損傷などの作用機序が組織再生である開発を進めていくからです。

作用機序が線維化抑制である脳梗塞、心筋症(虚血性心筋症・拡張型心筋症)の治療薬開発、そして、作用機序が炎症抑制である潰瘍性大腸炎、アトピー性皮膚炎の治療薬開発では未だ期待がニュートラルであるのに対し、作用機序が組織再生である部分に対しては期待が薄れたとする投資家が多いのではないでしょうか。

以上が現状のステムリムに対する投資家の心象だと感じております。

 

<参考文献>
iPS細胞の角膜移植について(世界初、iPS細胞を用いた角膜移植に成功)

<調査銘柄の概要>
4599 : ステムリム
住所 : 大阪府茨木市彩都あさぎ7丁目7-15 彩都バイオインキュベータ3階
電話番号 : 072-648-7152(非通知発信は接続不可)
HP : https://stemrim.com/

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