メディシノバ　買収総額9000億円のReceptos（レセプトス）との比較 – パイプラインの治療市場規模 –

メディシノバとReceptos（レセプトス）の比較を財務形態「メディシノバ　買収総額9000億円のReceptos（レセプトス）との比較 – 財務形態 –」とパイプラインの本数と進捗状況「メディシノバ　買収総額9000億円のReceptos（レセプトス）との比較 – パイプラインの本数と進捗状況 –」と進めて来ました。

両社の比較記事として3本目となる本記事では米国でのパイプラインの治療市場規模について比較を行います。なお、治療市場規模は診察、手術、投薬、入院など病気の治療に関わる全ての費用を意味します。

メディシノバはReceptosに比べて非常に多くのパイプラインを持っていますが、当然の話として本数が多いから良いということにはなりません。

創薬ベンチャーとしては適応症となる市場規模が大きいパイプラインをいくつ持っているかが重要です。

メディシノバとReceptosの場合はというと、前者が10本のパイプラインで構成される米国治療市場規模は合計＄48,004,703,885（=￥5,218,927,392,265）、後者が4本のパイプラインで同市場規模は＄22,460,490,000（= ￥2,442,342,452,355）となり、メディシノバがReceptosに比べて2.14倍大きな同市場に属しています（＄1 = ￥108.74 換算）。

パイプライン1本あたりの平均米国治療市場規模はメディシノバが＄4,800,470,389、Receptosが＄5,615,122,500とReceptosがメディシノバを平均規模では逆転する形となりました。

続いて、メディシノバとReceptosが保有するパイプラインの米国治療費市場規模の詳細と内訳を見ていきます（図表3,4,5,6）。

メディシノバもReceptosも多発性硬化症パイプラインが保有するパイプラインの中で最も市場規模が大きくなっています。

しかしパイプライン群を構成する適応症ごとの市場規模のバランスはメディシノバの方が優れているように思えます。

Receptosが上位2本のパイプライン（RMSとCD）で全体の約90%を構成しているのに対し、メディシノバは上位2本（PMSとIPF）で約60%を構成しています。

リスク分散もさることながら、適応症ごとの治療市場規模が大きいパイプラインを保有しているメディシノバの方が、パイプラインポートフォリオの治療費市場に対する価値は大きいという結果が得られました。

本記事では治療市場に対するパイプラインの価値を比較しました。次回は治療薬市場に対する価値を比較する予定となっていますので、是非ご閲覧ください。

＜参考文献＞
・メディシノバのパイプラインの治療市場規模（MN-166の開発状況とポテンシャル / MN-001の開発状況とポテンシャル）
・RMSの治療市場規模（メディシノバ「MN-166の開発状況とポテンシャル」）
・UCの治療市場規模（US DRUG FORECAST AND MARKET ANALYSIS TO 2022）
・EoEの治療市場規模（Eosinophilic Esophagitis (EoE) – Market Insights, Epidemiology and Market Forecast – 2027）
・CDの治療市場規模（Crohn’s disease market growth to 2026 fuelled by interleukin inhibitor and anti-integrin therapy launches）

＜調査銘柄の概要＞
4875 : メディシノバ / MNOV : MediciNova
住所 : （日本支社）東京都港区西新橋1-11-5-5F / （本社）4275 Executive Square, Suite 300, La Jolla, California
電話番号 : 03-3519-5010 / 1-858-373-1500
HP : https://medicinova.jp / https://medicinova.com