メディシノバ『NASDAQバイオテック企業の財務データを用いたメディシノバ株価の統計分析(重回帰分析:後編|総括)』

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<当記事は2020年11月22日にSKメルマガで配信されたコンテンツです。>

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○メディシノバ『NASDAQバイオテック企業の財務データを用いたメディシノバ株価の統計分析』

1.相関分析編【前編 / 後編

2.クラスター分析編【前編 / 後編

3.主成分分析編【前編 / 後編

4.重回帰分析編【前編 / 後編・総括(当記事)

1〜4の順にお読み頂くと、内容をよりご理解頂けます。

 

今回の配信が当シリーズの最終章となります。

前回の重回帰分析(前編)ではバイオテック企業全体のデータを用いてメディシノバの時価総額の現状を分析し、その結果同社時価総額は大きな割安状態であることが判明しました。

当配信ではメディシノバが属するクラスター2に限定した状況下での同社時価総額の分析を行います。

(図表1.理論値と時価総額|クラスター2 作成:SKメルマガ)

<重回帰式>
MC = -146,302 × X*** – 176,481 × Y*** – 41,388 × Z + 464,922***

MC:時価総額(理論値) X:財務基盤の未熟度 Y:事業プランの乖離度 Z:稼ぐ力
***:有意水準0.001 **:同0.01 *:同0.05
単位:$1,000

分析で得られた結果は上記図表1と<重回帰式>で示す回帰式です。

同分析ではメディシノバの時価総額は488,850千ドルが理論値と算出されました。

同結果はバイオテック企業全社を基に算出された405,383千ドル(外れ値除外)よりも大きくなりました。

メディシノバのNASDAQ市場での時価総額は271,363千ドルであることから、現在の同社時価総額が非常に割安であることが伺えます。

MN-166の導出が決定した暁には多額のキャッシュインが想定され、その結果フリーCFはプラスになりクラスター1に移行してくことになります。

クラスター1の主成分重回帰分析の結果を図表2に示します。

(図表2.理論値と時価総額|クラスター1 作成:SKメルマガ)

<重回帰式>
MC = 1,034,037 × X* + 193,033 × Y + 2,252,706*

MC:時価総額(理論値) X:財務基盤の未熟度 Y:事業プランの乖離度 Z:稼ぐ力
***:有意水準0.001 **:同0.01 *:同0.05
単位:$1,000

メディシノバが1億ドルの導出一時金(資本提携無し)を受領したと仮定し同結果に当てはめると、その理論時価総額は4,529,174千ドルと算出されます。

この理論値を1株あたりの株価にすると10,586円(1ドル=105円)となります。

NASDAQバイオテック企業の財務データを用いたメディシノバ株価の統計分析」の結論を以下に述べます。

1.メディシノバの現在の時価総額は非常に割安であることが分かりました。理論時価総額は488,850千ドルであり、1株あたりの株価は日本円で1,142円が適正値です(1ドル=105円)。

パイプラインの価値は同分析の株価に反映されていませんが、財務的観点では同価値は実際にキャッシュ・フローが生み出されてから反映されているもののため、導出交渉による契約一時金が発生するまでは1株あたり1,100円程度を適正値として考えておくことが宜しいです。

なお、同分析では時価総額525億円を超えた辺りから割高に評価される傾向があり、低くとも+20%の上振れがみこめます。

よって、実際には20%を上乗せした1,300円が現状における適正株価として設定できます。

2.MN-166の導出契約が締結し、メディシノバが資本提携を伴わずに1億ドルを受領した場合、同社株価は1株あたり10,586円が適正値として評価されます(1ドル=105円)。

この評価法は契約一時金の額に左右されるため、例えば資本提携を伴ったり、受領額が低かった場合は同評価額に達しません。

そのため、導出契約締結後には再度データを入力し直し、精度の高い株価評価を行う予定です。

しかし現状のMN-166のパイプライン価値と、700名以上と想定される進行型MSのフェーズ3治験を行うためには1億ドルは必要な予算です。

よって、現状分析の上では1億ドルを設定値として用いることに違和感が無く、故に同分析では1億ドルを設定値として用いました。

以上、長期間に渡って「NASDAQバイオテック企業の財務データを用いたメディシノバ株価の統計分析」シリーズを配信させて頂きました。

専門的な内容であったり、結論まで時間を要し、読者の皆様には多少なりともストレスを与えてしまったかと思います。

この配信をもちまして同シリーズは完結となります。

ありがとうございました。

 

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