【再掲載】メディシノバ 進行型多発性硬化症適応パイプラインの導出額

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<当記事は2019年7月に当ブログに掲載された内容です。>

 

2019年も残り半年となった今、メディシノバのJASDAQ上場維持猶予もあと半年となりました。今回は上場維持に欠かせないイブジラストに対する進行型多発性硬化症適応(以下、PMSという)の導出額(提携・共同開発含む)を推定したいと思います。

また、非現実的ですが他のMN-166パイプラインは考慮せず、あくまでもPMS単体での推定とします。推定に先立ち前提条件と参考事例、そして導出金額選出方法を設定します。以下をご覧ください。

<前提と参考事例>

1.前提:制度の高い予測は困難
・医薬品の導出は契約内容が複雑なため。
・同社の開発薬品は既存薬が無いもしくは少ない。故に参考となる他社の導出事例が極めて少ないため。
・PMS単体での契約ではなく、他のパイプラインも考慮した契約内容であると推測するため。

2.参考事例
・導出日:2017年11月9日
・企業:Principia Biopharma社
・適応症:多発性硬化症適応
・導出時の開発状況:フェーズ1進行中
・導出額:805,000,000USD以上

3.MN-166導出金額選出方法(ym)
ym = 市場規模 * リスクプレミアム(m / p)* 開発コスト調整係数(m / p)

*m:MN166該当 *p:Principia Biopharma社該当

 

上記3.導出金額選出方法の項目を見ていきます。市場規模には「メディシノバ MN-166の開発状況とポテンシャル」で記載されている進行型多発性硬化症の処方箋薬市場規模:10,925,000,000USDを設定します。

リスクプレミアムは開発フェーズ毎の累積失敗率(=1-累積成功率)を採っています。こちらは下記の図表1をご覧ください。

(図表1:リスクプレミアム 作成:SKブログ)

<リスクプレミアムに関する補足>
登録者数はメディシノバホームページのデータを参照。
治療期間はPMSに関するMN-166パイプラインを参考。
成功率はメディイノバ公開資料を参照。

 

開発コスト調整係数はフェーズ毎の患者1人/月あたりの費用を同じと仮定し、登録者数に治験期間を乗じたものです。

基準となる上記事例フェーズの同係数を1とした時、他のフェーズの開発コストがどの程度かを計るためのものです。それらをもとに導出額を算出したものを図表2に記載します。

(図表2:導出額の推定 作成:SKブログ)

極めて単純ながらもPMSの導出額を推定し、その額は約3,545 mUSDとなりました。以前「メディシノバ MN-166の開発状況とポテンシャル」の記事にて売上高からメディシノバの時価総額を推定したところ、PMSの時価総額貢献度は約8,240 mUSDでした。

また、メディシノバのパイプラインと競合する既存薬を所有する企業という条件下で15社のデータ*の平均を採った場合、株主資本の4.6倍が時価総額という結果が得られています。

この様な非常に前向きな材料がある中で、上場維持か廃止が決まる今年中に株価がどういった動きをするのか大変興味深いです。

<注釈>
* データ取得日:2019年3月7日

 

<調査銘柄の概要>
4875 : メディシノバ / MNOV : MediciNova
住所 : (日本支社)東京都港区西新橋1-11-5-5F / (本社)4275 Executive Square, Suite 300, La Jolla, California
電話番号 : 03-3519-5010 / 1-858-373-1500
HP : https://medicinova.jp / https://medicinova.com

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